理事長挨拶

理事長挨拶

理事長 長谷川寿一

公益社団法人日本心理学会は、1927年(昭和2年)創立の心理学分野では日本で最古の伝統のある学会です。現在、約8000名の会員を有し、研究及び実践で活躍するサイコロジストの交流の場となっています。毎年、参加者約3000名規模の年次大会を開催し、和文誌「心理学研究」と英文誌”Japanese Psychological Research”を刊行しています。

「心」をめぐる諸課題は、現代社会ではますます重要性を増してきており、精神的健康の増進、自殺やいじめ、不登校といった諸課題に対する施策や提言、親子関係をはじめ家族関係の適切な築き方、安全・安心の心理、異文化理解等々、心理学者が取組む課題は山積しています。実際、心理学会会員はこれらの課題に日々真摯に取組み、多くの成果をあげております。心理学会では、公開シンポジウムやホームページを通じて、心理学の研究成果や実践活動を広く社会に向けて発信しています。

学問としての心理学もまた、とても重要です。「心」に関するエビデンスに基づく科学的探求は、広い意味では「人間とは何か」という究極的な問いに対するチャレンジです。とりわけ、中高生や大学生など自分探しや社会と個人の関係に迷い悩む若い世代に対して、科学的・客観的な知見を提供できる唯一の学問が心理学です。心理学会では、高校生のための心理学講座など、若い皆さんに向けた啓発活動を数多く行っています。

世界に目を向けると、日本心理学会は2016年に国際心理学会議(ICP2016横浜)をホストすることになりました。実に44年ぶりの日本開催で、世界各国から約6000名のゲストをお迎えすべく準備を着々と進めています。大きな国際学会を招致することは、国内に向けて心理学のプレゼンスを示す上でも絶好の機会となります。ICP2016を通じて「世界の心理学の今」をしっかりとお伝えしたいと思っています。

日本心理学会ではまた、大学において心理学の標準的基礎学力と技能を習得し卒業した方々を日本心理学会認定心理士として認定しています。この資格制度は1990年以来25年の歴史を持ち、これまで、46,000人以上の方々を認定してきました。認定心理士の皆さんには、日本の心理学の裾野を支えていただくべく、多様なリカレントプログラムを提供しています。

このように日本心理学会は、多様な活動を通じ、日本の心理学の教育と研究を支え、社会と心理学を繋ぐ役割を担っています。まだまだ不十分なところも多々ございますが、本学会員諸氏および社会の皆様からのご意見を頂きながら、日本の心理学を盛り立ててゆきたいと存じます。