公益社団法人 日本心理学会

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常務理事会から

常務理事会から

6月末に理事長任期を終えましたが,引き続き財務と大会の担当常務理事を拝命いたしました。今しばらくは常務理事会の一員として微力を尽くさせていただきますので,どうぞよろしくお願い申し上げます。

財務

財務の担当は2回目となりますが,初めて担当した時,日本心理学会が公益社団法人であることの重さを学びました。任意団体,あるいは一般社団法人であれば,いただいた会費を原資として,会員の皆様に会費を上回るサービスをお届けすることを目指すのが,運営する者の務めです。

しかし,公益社団法人の目指すところは「公益」です。定款の第3条によれば,本学会の目ざすところは,「心理学に関する学理及びその応用の研究発表,知識の交換ならびに会員相互及び内外の関連学会との連携共同を行うことにより,心理学の進歩普及を図り,もって我が国の学術の発展に寄与する」という公益の達成です。会員の皆様からいただく会費はこの公益に資する活動の原資としてお預かりさせていただいています。

公益社団法人は,税制上優遇される代わりに,会の健全な運営を担保する程度の留保(貯蓄)を超える過剰な利益蓄積は認められません。つまり,収入と支出がほぼ同じ,いわゆる自転車操業をすることが義務付けられています。

幸いにして本学会は,少子化傾向にもかかわらず,約8,000名の会員数を維持しています。1990年に始まった認定心理士制度も普及・定着し,2006年以降,毎年3,500名ほどの認定者を維持し,会費以外の主たる収入の柱に成長しました。この順調な収入を背景に事業を拡大して公益への寄与を増進することで,収支バランスを適切に維持してきました。

ところが,コロナ禍の影響で,2020年には認定心理士認定者は1,000名ほど減少し,約2,500名にまで落ち込みました。認定心理士関係の収入は大きく減少し,拡大した事業への支出が収入を上回る赤字財政となりました。

それゆえ支出を絞らざるを得なくなり,2023年から本格的な事業の見直しを開始しました。皆様にはご迷惑をおかけしましたが,その甲斐あって,2024年の単年度決算では,赤字を脱することができました。近い将来,JPASSや認定心理士システムの改修費用などの大きな支出が予定されていることから,今しばらくは緊縮財政を継続せざるを得ませんが,本学会の安定的継続のため,ご寛恕いただければ幸いです。

大会

本学会の大会は,1927年の第一回より,日本各地の大学が持ち回りで主催する,主催校制度で実施されてきました。しかし,次第に手を挙げてくれる大学がなくなり,コロナ禍によってとどめを刺されました。そこで2022年より,常務理事会と事務局が音頭をとって実行委員会を構成する,本部主催制度へと変更しました。

そのため,会場選択という新たな問題が浮上しました。大学の協力を得られない場合は,大きなコンベンションホールをお借りして実施することになります。3日間お借りすると,概ね1,000万円かかります。大学の施設をお借りするという選択肢もありますが,最近は,大学も数百万円の賃貸料がかかるようになりました。大会の財政環境は,極めて厳しいものとなってきました。その一方で,昔は開催が難しかった地域でも開催できるようになり,約3,000名の飲食・宿泊費による地域貢献という公益も考えられるようになりました。

大会は前述した本学会の目指す公益に直結しています。節約しながらも,いかに充実したものにするか。財務・大会担当として,行うべきことをしっかり実行したいと思います。

(財務・大会担当常務理事/東北大学教授 阿部恒之)

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