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常務理事会から

「つなぐ」国際化

日本心理学会国際委員会のミッションは,①心理学の発展を目指した国際的な協力を推進すること,②会員のグローバルな活躍を支援すること,この2点に集約されます。言い換えるならば,国境を越えて国と国,そして人と人を「つなぐ」ことを目指し,さまざまな活動を展開しています。

この「つなぐ」という言葉には,そこから継続的な連携が生まれてほしいという願いが込められています。一度きりの交流で終わるのではなく,国境を越えた出会いがその先に何かを生み出す契機となり,さらなる発展へと続いていくようにという思いで,私たちは日々の活動に取り組んでいます。

その一例が「日中韓三カ国シンポジウム」です。本学会と中国心理学会,韓国心理学会の共催によるこのイベントでは,毎年,三カ国から新進気鋭の心理学者が集い,共通の関心事について研究発表や意見交換を行っています。しかし,いかに素晴らしい交流の場であっても,その先につながらなければ,残るのは単なる思い出だけになりかねません。重要なのは,ここから具体的な国際連携が生まれるよう,人と人を「つなぐ」契機とすることです。

こうした目的のもと,三カ国間で協議を重ねた結果,日本心理学会が主催する2027年度の三カ国シンポジウムのテーマは「境界を超えて:学際・国際協力によるシナジーの創出(Beyond Boundaries: Synergy Across Fields and Nations)」に決定いたしました。具体的には,以下の3点を目的として掲げています。

  • 日本・中国・韓国の心理学者間における国際的研究協力を促進すること
  • 心理学の下位領域および隣接分野を横断する学際的協働を奨励すること
  • 単一の国や分野のみでは達成が困難な,相乗的な知識創出を促進すること

この方針のもとで研究計画が募集され,各国代表となる研究チームが選出されました。現在,各チームは学会からの助成を受けて共同研究を進めています。その成果は,2027年度の日本心理学会大会(新潟)期間中に開催されるシンポジウムにて発表されますので,ぜひ足をお運びください。

また,今年7月,本学会は the Association for Psychological Science(APS)との間でMOU(覚書)を締結いたしました。APSは心理学の幅広い領域をカバーし,世界中の研究者が所属する国際組織です。アジア圏からの参加をさらに促すにあたり,本学会を最初の連携先として選んでいただいたことを大変光栄に思います。この連携を通じ,会員の皆様が国際学会や学術誌へよりアクセスしやすくなり,グローバルな活躍が推進できるよう,一層尽力してまいります。具体的な連携特典や共同企画の詳細につきましては,準備が整い次第,学会ウェブサイト等を通じて会員の皆様に順次アナウンスしていく予定です。この機会を,皆様の国際的なネットワーク拡大にぜひお役立てください。

私が国際委員会に関わるようになってから,早いもので5年以上が経ちました。委員,委員長を経て,現在は担当常務理事を務めておりますが,毎年のように進化を遂げていく委員会活動を頼もしく感じております。本委員会の特徴は,委員の約半数が公募によって選ばれる点にあります。毎年,意欲ある優秀な方々から多数のご応募をいただき,新たな視点やエネルギーが活動に吹き込まれることは,委員会にとって大きな財産です。毎年7月から8月頃が公募期間となりますので,本学会の国際活動をともに牽引してくださる方のご応募を,心よりお待ちしております。

(国際担当常務理事/東洋大学教授 尾崎由佳)

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