2016 No.1
ニューズレター0 号の冒頭で佐藤常務理事がお書きのように、この 4 月 1 日にいよいよ「認定心理士の会」が設立しました。この会の準備構想は、佐藤先生の理事長時代にスタートし、佐藤先生はじめ幹事の皆様のご尽力により設立に至りました。関係各位に厚く御礼申し上げると共に、会の設立を心よりお慶び申し上げます。
本号にも掲載されている会則には、本会の目的について、認定心理士資格取得者の相互の連携を密にし、認定心理士の資質と技能の向上をはかるとともに、人々の心の健康と福祉の増進に寄与することを目的とする、と謳われています。佐藤先生がお書きのように、認定心理士間のネットワークを作り、その繋がりを軸に様々な活動を展開していこうということです。そのためには、盛上げ役となって汗を流して下さる会員が必要で、さらにそのような会員の活動に対する学会からの支援も不可欠です。
幸い、現在の幹事の皆さんは若手の方が中心で、やる気にあふれておられ、このニューズレターでもその熱意をひしひしと感じることができます。
また心理学会では、会の設立に合わせて活動経費を予算化し、尽力されている皆様の熱意が報われるようにいたしました。5 月 22 日に開かれる初回のキックオフシンポジウムを目指して、準備も着々と進んでいます。本号を読んで、初めて、少しでも関心を持たれた方は、ぜひ入会の手続きをとって、会場に足を運んで下さい。そこには新しい仲間達との出会いの場がきっと待っているはずです。
ただし、上京するのは大変だという方も数多くいらっしゃることでしょう。幹事会と心理学会では、地方支部の立上げについても、積極的に支援していく所存です。今年度は、まず、9 月に大阪でワークショップを開催します。そして来年度以降は、順次、地方での会員交流と認定心理士の研鑽の機会を設けて行く予定です。地方在住の会員の皆様からの積極的な立候補をお待ちしています。
認定心理士新規取得者は、近年、年間 3000 名を超える勢いを持続し、累計で 5 万人の大台に達する日も目の前に迫ってきました。認定心理士取得者の現在のプロフィール(認定心理士の現状)は、ニューズレター0 号のアンケート調査結果報告にある通りです。すなわち、回答された 7709名の認定心理士の 8 割は就業者で、6 割は心理学を活かした就業経験をお持ちです。認定心理士の皆さんの非常に多くが、心理学と実社会を繋ぐ役割を果たされていることが明らかになりました。
そして、本号での続報にあるように、皆様が本会に希望される主なサービスが、「講演会・講習会」と「ニューズレター」であることもわかりました。
以上のように、本会の今後の方向性とタスクがかなり具体的に見えておりますので、あとはそれらを着実に実現していく決意です。その積み重ねの結果が、やがて目的の終わりに記されている「人々の心の健康と福祉の増進に寄与する」ことに繋がることでしょう。
認定心理士の会の皆様とともに、社会に貢献する心理学を目指していきたいと思いますので、これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。
「認定心理士の会」へ入会ご希望の方は、jpa-ninteinokai@psych.or.jp まで、件名を「認定心理士の会入会」とし、以下の情報をお知らせください。
- 認定心理士登録番号(認定番号)
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
(ニューズレターは添付ファイルでお送りいたしますので、お受け取り可能なメールアドレスを記載してください)
※なお、入会申込はメールのみの受付とさせていただきます。
第 1 章 名称及び事務局
第 1 条 本会は、認定心理士の会と称する。
第 2 条 本会は事務局を公益社団法人日本心理学
会事務局内に置く。
第 2 章 目的及び事業
第 3 条 本会は、公益社団法人日本心理学会(以下学会という)の認定する「公益社団法人日本心理学会認定心理士(以下認定心理士という)」の資格取得者の相互の連携を密にし、認定心理士の資質と技能の向上をはかるとともに、人々の心の健康と福祉の増進に寄与することを目的とする。
第 4 条 本会は、前条の目的を達成するために次の事業を行う。
- (1) 研修会、研究会などの開催
- (2) 会報等、認定心理士に係る必要な情報の発信
- (3) その他前条の目的を達成するために必要と認められる事業
第 3 章 会員
第 5 条 本会の会員は、学会の認定する認定心理士の資格を取得した者とする。
第 6 条 入会を希望する者は、所定手続きを経ることとする。
第 7 条 退会を希望する者は、退会届を事務局に提出するものとする。
第 8 条 会員が、次の各号の一に該当する場合には、その会員資格を喪失する。
- (1) 死亡し、もしくは失踪宣告を受けたとき
- (2) 認定心理士資格を喪失したとき
- (3) 除名されたとき
第 9 条 本会の会員は、「公益社団法人日本心理学会倫理規程」を遵守しなければならない。
第 10 条 本会会長は、次の各号の一に該当するような行為が認められた会員を日本心理学会常務理事会の承認を得て除名することができる。
- (1) 本会の名誉を著しく傷つける行為を行った会員
- (2) 日本心理学会倫理委員会の審査の結果、認定心理士としての倫理を逸脱したと認められた会員
第 4 章 組織
第 11 条 本会に次の役員を置く。
- (1) 会長 1 名
- (2) 幹事若干名
第 12 条 前条の役員は、当面の間、以下のとおりとする。
- (1) 会長は学会理事長とする。
- (2) 幹事は、日本心理学会担当常務理事を含む、若干名とし、認定心理士であることを問わない。
第 5 章 役員会
第 13 条 本会の運営は役員会が行う。
- (1) 役員会は会長が招集する。
- (2) 会長が欠けた場合、担当常務理事がこれを招集する。
第 6 章 改正
第 14 条 本会則の改正は、日本心理学会常務理事会の承認を得るものとする。
附則
(1) 本会則は平成 28 年 4 月 1 日より施行する。
前号で予告しました通り、5 月に東京でキックオフシンポジウムを開催します。
日時は 5 月 22 日(日)の 14:00~17:00、場所は東洋大学白山キャンパスとなります。テーマは「人間社会に貢献する心理学―その可能性を考える―」です。役員会でキックオフシンポジウムに相応しいテーマについて議論を重ねた結果、心理学が日常生活や職場などでどのように役立つか、認定心理士が社会にどのように貢献できるか、ということを考える場にしようということになり、上記のテーマになりました。
登壇者は、日本心理学会常務理事の佐藤隆夫先生、横田正夫先生、安藤清志先生です。佐藤先生のご専門は知覚心理学です。基礎研究の立場で、お話しいただきます。横田先生のご専門は臨床心理学、安藤先生のご専門は社会心理学です。お二人には応用研究の観点で、心理学が世の中にどのように貢献するか、話題提供していただきます。
それぞれ 1 時間弱のご講演の後、質疑応答の時間も設けますので、参加者の皆様と先生方との間で活発な議論や意見交換をしていただければと思います。
シンポジウム終了後、懇親会を開催いたします。認定心理士間の出会いと親睦を深める場として、積極的にご利用ください。また、登壇者の先生方と直接議論するもよし、幹事を捕まえて「こんな企画はどう?」と提案するもよし、有意義な時間を過ごしていただければと思います。我々役員会一同も、これからの「認定心理士の会」の在り方について、皆様と意見交換するのを楽しみにしております。詳細は別項をご参照ください。
上記以外の予定としては、9 月に大阪でワーク ショップを企画しています。また、全国各地で日本心理学会が開催する公開シンポジウムも「認定心理士の会」の共催となっており、シンポジウム終了後に懇親会を予定しています。お住まいの地域でイベントが開催される際は、ぜひご参加ください。
(渡邊 伸行)
- 人間社会に貢献する心理学‐その可能性を考える‐
-
- 佐藤 隆夫氏(立命館大学教授・日本心理学会学術担当常務理事)「『もの』を見る心のはたらき」
- 横田 正夫氏(日本大学教授・日本心理学会認定担当常務理事)「統合失調症とマンガ・アニメの世界」
- 安藤 清志氏(東洋大学教授・日本心理学会総務担当常務理事)「人々の背中を押して幸せに?―心理学の社会貢献」
- シンポジウム~
懇親会 ※シンポジウム終了後
東洋大学白山キャンパス 6101 教室(6 号館 1 階)
〒112-8606 東京都文京区白山 5-28-20<
都営地下鉄三田線白山駅下車、徒歩 5 分
東京メトロ南北線本駒込駅下車、徒歩 5 分
都営地下鉄三田線「千石」駅下車、徒歩 7 分
※案内図は
http://www.toyo.ac.jp/site/access/access-hakusan.htmlをご覧ください。
参加希望のメールで事前申し込みをお願いします。
jpa-ninnokai-event@psych.or.jpまでお申込みください。メール件名は「5.22 シンポジウム参加希望」、とし、認定心理士 No.、氏名、e-mail、懇親会参加有無を記載のうえ、お申し込みください。
※シンポジウム、懇親会ともに参加費無料です。
先着順(定員 200 名)のため、定員になり次第、締め切らせていただきます。
前号に引き続いて、認定心理士の現状を後半のアンケート調査から概観してみたい。
まず、資格のメリットとして、「アイデンティティなど自分自身の拠りどころとなった」、「特になかった」とともに 4 割強を占め、2 割弱は「就職時に役立った」と回答している。
そして、所属する学会に関しては、3 割強が、「日本心理学会の会員」であり、そのなかで 6 割強が、心理系学会の所属数は 1 つ、2 割弱は 2 つと回答。
さらに、5 割強は、非心理系学会の所属数が 1 つであり、2 割超が 2 つと回答している。
また、資格を知った経緯の多数は、大学からのすすめと前号で記したが、日本心理学会の「ホームページを見て」、「郵便・メールの案内」では 1割程度を示し、資格取得前の関わりは少ない。しかし、学会が提供するサービスに望むことには、「講演会・研修会」が 6 割と最も多く、次いで 5割超が「ニューズレター」の発行と続いている(複数回答)。
前号では、資格取得者数の継続的な増加傾向がみられたように、さらに、新設の「認定心理士部会」および「認定心理調査士」資格への興味については、いずれも 7 割超であり、関心の高さが伺える。これは認定心理士の会創立の目的や趣旨、今後予定の活動事項と重なる。情報の共有や親睦を図る交流会、スキルの向上にも繋がるような勉強会など、なにより認定心理士同士の好循環が期待できるのではないだろうか。
以上、18 項目の調査を2 回に渡ってみつめたが、日本心理学会のホームページにアンケートを公開しているので、自身の状況と内容を照らし合わせてみるなど、興味のある方は参考にされたい。
最後に、公開の図表とは別に、アンケートの一部をグラフ化したので添付する。
今号では、認定心理士の会の詳細、キックオフシンポジウムを中心にお知らせしています。心理学の知識や技術を社会で活用する、認定心理士のアイデンティティはそのようなところにあるのかもしれません。その思いを皆で共有するためにも、ぜひキックオフシンポジウムにも足をお運びください。
新年度は忙しさの中にも希望を見いだせる時期だと思います。誕生したばかりの認定心理士の会をこれからも皆様の力で盛り立てていけたらと思います。
(高瀬 堅吉)
- 認定心理士の会役員会〒113-0033 東京都文京区本郷5-23-13 田村ビル内公益社団法人日本心理学会事務局jpa-ninteinokai@psych.or.jp
- 認定心理士の会役員会
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