

認定心理士の皆様、新年あけましておめでとうございます。昨年6月より、日本心理学会理事長を拝命しております、唐沢かおりです。もっと早い時期にご挨拶すべきところ、新年のご挨拶と兼ねる形になり、失礼いたします。
昨年は、心理学の知見を社会に活かす取り組みが一層求められる一年でした。災害やパンデミック後の心のケア、包摂的な社会の構築、AIやデジタル技術の急速な進展に伴う人間理解の重要性、様々な場におけるWell-beingの向上など、多様な社会課題に対して心理学が貢献することへの期待は多方面から高まっています。この期待に、適切に応えるためには、心理学研究の深化と共に、心理学の学びを継続しつつ、日常の職務や生活に生かす営みが重要ですが、認定心理士としての皆様の活動は、その中核をなすものと考えております。
昨年9月5日-7日に、東北学院大学にて開催された日本心理学会第89回大会では、日本心理学会認定心理士の会運営委員会からの企画として、「令和を生きる心理学を学んだ人のキャリア探索」および、「マインドフルネスの基本を正しく理解しよう!」の講演がございました。また全国各地にて、多様なテーマのもと、講演会、セミナー、シンポジウムなどのイベントが開催されました。今年も、9月4日-6日に東洋大学にて開催される第90回大会、また各地でのイベントにて、心理学の研究知見や最新の動向を紹介しつつ、社会課題との関わり、心理学を学ぶこととキャリアなどを議論する講演やセミナーを開催する予定です。このような場も生かしつつ、認定心理士としての皆様の学びがさらに深まり、ご家庭や地域、職場における多様な場面でのご活躍につながることを願っています。
2026年も、心理学が社会に信頼され、より広く役立つ学問であり続けるために、日本心理学会は皆様とともに歩みを進めてまいります。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
(日本心理学会理事長:唐沢かおり)
この度、認定心理士の会運営委員会委員長を仰せつかりました、河地庸介と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
もしかするとご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、私は2017年10月より認定心理士の会に関わらせていただいており、これまでさまざまな業務に携わってまいりました。歴代委員長のご尽力や運営の工夫を間近に拝見し、十分な準備のもとで委員長職を引き継いだ――と言えれば理想的だったのですが、実際には気がつけば2025年10月を迎え、就任していたというのが正直なところです。遅ればせながら、ここから改めて気を引き締め、会の運営に取り組んでまいりたいと考えております。
会の運営にあたっては、私を含め運営委員がそれぞれの役割を果たすことはもちろんですが、それだけで成り立つものではないと考えています。なにより、会員の皆様にイベントに参加していただき、会の活動に関わっていただくことが重要になります。関連して、私自身が以前から気になっているのは、近年オンラインでの活動がすっかり定着し、会への参加が以前よりも格段に気軽になった一方で、各地域で行われてきた対面イベントについては、参加のあり方も含め、改めて考える必要が生じているのではないかという点です。正直なところ、対面で集まることは効率が良いとは言えませんし、その成果を分かりやすく示すことも容易ではありません。
それでもなお、各地域での小さな集まりや、顔を合わせて交わされるやり取りの積み重ねが、結果として認定心理士の会全体の雰囲気や温度感を形づくってきたのではないか、という印象を私は持っています。地方での活動は目立ちにくいかもしれませんが、会の土台を支えてきた大切な営みであり、その価値をどのように共有していくかは、今後も考え続けていく必要があるように思います。
その一環として、これまで以上に、認定心理士の皆様にアンケート等を通じてご意見を伺い、聞いてみたい講演テーマや関心のある話題を、気軽に挙げていただく機会を増やしていくことを検討していきたいと考えています。いただいた声をそのまま形にできるわけではありませんが、関心がどこに向いているのかを共有し、その一部でも企画に反映されていくことは、会に参加する実感やメリットにつながっていくのではないでしょうか。
運営委員長として、何かを大きく変えるというよりも、これまで各地で続けられてきた営みを丁寧に受け止めながら、会員の皆様とともに活動していきたいと思っています。
今後とも認定心理士の会へのご理解とご参加をどうぞよろしくお願い申し上げます。
(運営委員会委員長:河地庸介)
オンライン開催・対面開催いずれのイベントも、お住まいの地域にかかわらずお申込みできますので、ぜひ多くのイベントにご参加ください。
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認定心理士の会関東支部会は以下の要領で公開セミナーを行います。
- 2026年3月7日(土)13:30~16:30(開場13:20)
- Zoomオンライン開催
- 古曵牧人先生(駿河台大学)、金子毅司先生(新潟医療福祉大学)
- 本シンポジウムの主旨は、罪を犯した少年や障害者の更生支援の在り方についてともに考えることです。触法少年や触法障害者に対して、どのような更生支援が図られているのか――その現状と課題について、古曵先生、金子先生にお話しいただきます。再犯を防ぎ、誰もが安心して暮らせる地域社会をつくるためには何が必要なのか、について一緒に考えてみたいと思います。
- 2026年3月2日(月)
- 下記、認定心理士の会イベントよりお申込みください。
https://psych.or.jp/authorization/ninteinokaievent/
(関東支部:本田周二)
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認定心理士の会中国・四国支部は以下の要領で公開セミナーを行います。
- 2026年2月22日(日)13:30~15:30(対面開場受付13:00~、オンライン受付13:20~)
- 県立広島大学広島キャンパス1175講義室(広島市南区宇品東1丁目1-71)およびZoomオンライン会場
- 大久保智生先生(香川大学教育学部)、大杉朱美先生(福山大学人間文化学部)
- 本企画では、犯罪に心理学の視点から向き合うためのヒントを、2つの切り口でわかりやすくご紹介します。一つは、店舗・地域における万引き等を未然に防ぐための「環境づくり」。もう一つは、事案発生後に、司法面接や取調べなどの場面で事実に近い情報を引き出す「聴取」の要点です。前半は大久保先生が、犯罪が起きやすい場所に「人の目」をつくる未然防止の工夫と実践を紹介します。後半は大杉先生が、語りを歪めずに聴くための科学的な聴取の方法を、日常にも活かせる形で解説します。日常の防犯から司法・捜査の現場までをつなぐ視点から、安心・安全な社会づくりに心理学がどのように貢献しうるかを、ご一緒に考えてみませんか。
- 2026年2月17日(火)
- 下記、「認定心理士の会イベント」(https://psych.or.jp/authorization/ninteinokaievent/)より事前にお申込みください。
(中国・四国支部:向居暁)
【北海道支部企画】認定心理士の会 公開シンポジウム(対面開催)「認知システムのダイナミクスと脳の可塑性―経験と学習による心の精緻化―」
北海道支部では、2025年10月26日(日)に北翔大学にて北海道心理学会との共催で「認知システムのダイナミクスと脳の可塑性―経験と学習による心の精緻化―」というタイトルのシンポジウムを開催いたしました。当日は107名(うち認定心理士29名)にご参加いただきました。
心や脳は常に一定ではなく、日々の経験や学習によって変化し続けます。その変化も決して一様ではありません。どのように変化し、精緻化していくのか、個々の身体活動や認知活動と脳の可塑性の関係性を具体的に探求することは認知システムのダイナミクスを理解するうえでとても重要です。このシンポジウムでは4名の先生にご講演いただき、各先生が興味を持って研究しておられる認知機能と脳機能との関係性にフォーカスし、認知心理学の視点から心と脳のダイナミックな関係に迫りました。
今井史先生(北海道大学)には「身体運動と想像力、その脳内表現」というタイトルで身体運動をキーワードに、左沿先生(広東外語外貿大学)には「音声の魅力を測る」というタイトルで音声情報から感じる魅力について、長内清春先生(北海道大学)には「色名の想起とその心内表現」というタイトルで、佐々木三公子先生(日本色彩研究所)には「色覚の変化可能性」というタイトルで、視覚関連の認知のなかでも特に色彩認識と可塑性についてご講演いただきました。各先生のご講演に続いて小川健二先生(北海道大学)、岡田顕宏先生(札幌国際大学)、懸田孝一先生(北海道教育大学)、川端康弘先生(北海道大学)に指定討論者として各話題提供へのコメントをいただき、白熱した討論が展開されました。
末筆ながら、各話題提供者の先生をはじめ、本講演にお力添えいただいたすべての皆様に厚くお礼申し上げます。
(北海道支部:中田龍三郎)
【東北支部企画】
認定心理士の会 特別講演会1(対面開催)「人々の孤立と心のケア中長期の災害支援の経験からの学び」
認定心理士の会 特別講演会2(対面開催)「ゲーム依存の理解~目指せ リア充!ゲームも現実も楽しもう~」
2025年8月30日15時より医療創生大学にて、東北心理学会第78回大会との共催の特別講演会1として「人々の孤立と心のケア―中長期の災害支援の経験からの学び」を開催いたしました。本講演では、米倉一摩先生(相馬広域こころのケアセンターなごみ・NPO法人相双に新しい精神科医療保険福祉システムをつくる会)から、災害時および中長期における人々の孤立と心のケアについて、具体的な事例を交えながらお話いただきました。災害直後は多くの支援が集まる一方で、時間の経過とともに支援者が減少し、本当に支援を必要とする人が見えにくくなる現状が示されました。特に、障害や精神疾患を抱える方、高齢者、SOSを出すことをためらう方への支援の難しさが強調されました。また、仕事や役割を失うことが心に大きな影響を及ぼす点や、避難行動に伴う負い目が人間関係に影響することも印象的でした。さらに地域支援に必要となる「地域支援力」として10の要素が紹介され、個々の専門性だけでなく、多職種が連携し長期的に関わる支援の重要性を学ぶ機会となりました。
また、8月31日13時より同会場にて、同大会との共催の特別講演会2として「ゲーム依存の理解―目指せリア充!ゲームも現実も楽しもう」を開催いたしました。本講演では、大越拓郎先生(独立行政法人国立病院機構さいがた医療センター)から「ゲーム依存」をテーマに、子どもや若者がゲームに強くひきつけられる心理や、回復に向かうための関わり方について分かりやすく解説がありました。ゲーム依存とは「ゲームやネットそのもの」や「性格」の問題ではなく、やめたいと思っていてもコントロールが難しくなっている状態であり、ゲームの世界が、現実でのつらさや孤独を和らげる「居場所」や「支え」になっている場合があることも紹介されました。そのため、単にゲームをやめさせるのではなく、現実の中で人とつながり、達成感や楽しさを感じられる経験を増やしていくことが大切だと強調されました。講演の最後には、「ゲームをどうするか」ではなく、「これからどう生きていくか」を一緒に考える姿勢の重要性が伝えられました。
(東北支部:今川ゆき)
【東海支部企画】認定心理士の会 公開シンポジウム(オンライン開催)「ワーク・ライフ・バランスを考える」
2025年8月23日(土)の14時よりオンライン(Zoomウェビナー)にて、「ワーク・ライフ・バランスを考える」というテーマで東海支部の公開シンポジウムを開催しました(事前申込制、無料)。ご登壇いただいたのは、名古屋市立大学の富田真紀子先生と神戸学院大学の中川裕美先生です。本イベントには154名の方がご参加くださいました。
富田先生からは、ワーク・ライフ・バランス研究の変遷や意義についてお示しいただいた上で、ワーク・ライフ(ファミリー)・バランスが身体的・精神的健康に与える影響についてご検討された6つの研究をご紹介くださいました。仕事と家庭との間で、互いを阻害する関係ではなく、ポジティブな相乗効果が得られるように生活を整えることの重要性をご示唆いただきました。
中川先生からは、(1)コロナ禍におけるテレワークがワーク・ファミリー・バランスに与える影響、(2)メンタルヘルスの不調を理由とした休職経験がある労働者とない労働者との間での、業務の遂行能力や生産性の認知に関する比較、(3)メンタルヘルスの不調を理由とした休職者への復職支援に関わって、マインドフルネスに焦点を当てた支援がWLBに及ぼす影響、の3点についてご発表くださいました。そして、マインドフルネスのワークを交えつつ、実践的な取り組みについてもご紹介いただきました。
サンプリング方法などの研究手続きに関する質問から、独身者や非正規雇用など立場の違いをどう考えるべきか、具体的な休職支援はどのようなステップで進めていくべきかといった実践面での助言を求める質問まで、幅広い観点からの議論が展開されました。シンポジウム終了後にご回答いただいたアンケートでは、「先生方のご研究内容と自らのワーク・ライフ・バランスを重ねながら聴かせていただきました」「自分に当てはまる話も多く、大変参考になりました。ありがとうございました。」「職場のメンタルヘルスケアで活かせると思いました」「わかりやすい中で新たな気づきがあり、非常によかったです」など、多くの好意的な感想を頂戴いたしました。このテーマを自分事として捉えていただけたことが伺える感想を多く寄せていただき、大変嬉しく思います。
東海支部でのシンポジウムは、昨年度に引き続きオンラインでの開催とさせていただきました。今年の夏も酷暑となりましたので、対面ですと外出するだけでもご苦労をおかけしてしまっただろうと思います。ご講演を伺いながら、オンライン開催の環境が整っていることもライフ・ワーク・バランスの調整に役立ってくれていることを改めて実感いたしました。
貴重なお話をいただきました富田先生、中川先生、支えていただきましたスタッフの皆様、そしてご参加いただきました皆様に心より感謝申し上げます。
(東海支部:吉田琢哉)
【北陸支部企画】認定心理士の会 公開シンポジウム(対面開催)「心理学者としての歩み・中間まとめ―臨床と研究の対話から―」
2025年12月13日(土)に、北陸心理学会の年次大会内において、北陸支部との共催企画として「心理学者としての歩み・中間まとめ-臨床と研究の対話から」を開催しました。谷内通先生(金沢大学)からの企画趣旨の説明に続いて、松井三枝先生(金沢大学)に心理学を志した原点から現在までの歩みをたどり、臨床現場で出会った課題にエビデンス重視の心理学の視点で向き合い、その知見を再び研究と実践へ還流してきた研究者生活についてご講演いただきました。
学生時代にご専門を変更された時の話に始まり、その後長く医学の現場で心理士としてご活動される中での様々なことをお話いただきました。周りに心理学が専門の人の多くない職場でさぞかしご苦労もあったことだと思うのですが、周囲の方々とのご関係を大事にされながら、日々の「ワクワク」を大事に活動されているという先生のお人柄もあり、非常に楽しく、また現役の研究者である我々にも刺激的なお話でした。また、ひとりの研究者の生き様が紹介されたこの講演は、ご参加いただいた認定心理士の方にも、響くものであったと思います。
今後も北陸支部は、北陸の心理学研究や教育を皆様に紹介する機会と、認定心理士の皆様の相互交流の機会を企画していきます。
(北陸支部:森本文人)
【近畿支部企画】認定心理士の会 公開講演会(対面開催)「ゆるしの心理学」
紅葉が鮮やかに色づいた京都市内におきまして、11月29日土曜日、近畿支部のイベントを対面形式で開催いたしました。イベントの内容や成果について、この場をお借りしてご報告します。
八田武俊先生(京都女子大学)に「ゆるしの心理学」と題し、ご講演いただきました。本年度は参加者の皆さまのアクセス面を考慮し、TKPガーデンシティ京都タワーホテル2階「山吹」を会場といたしました。当日は30名(うち認定心理士18名)の方にご参加いただき、盛会となりました。
講演者の八田先生からは、現在取り組んでおられる「ゆるし」研究について、1)キリスト教・ユダヤ教・イスラム教・仏教における「ゆるし」の位置づけ、2)心理学において「ゆるし」がどのように研究されてきたか、その成果と限界、3)先生ご自身が目指す「ゆるし」研究の方向性、という三点を中心にお話しいただきました。参加者の中には、「どうすれば他者をゆるせるようになるのか」といった実践的な問いへの関心が強い方もおられ、熱心に耳を傾けられていました。「ゆるせないことをゆるす」という姿勢の捉え方など、ゆるしをめぐる深い考察については多くの参加者に強い印象を与えたように感じられます。八田先生と参加者の間で、時間の許す限り活発な質疑応答や意見交換がなされたことは、そのことを物語っていました。
八田先生のご講演は、心理学の観点から「ゆるし」というテーマを捉え直す貴重な機会となり、新たな視点や理解を得る非常に有意義な時間となりました。
(近畿支部:岸太一・竹澤智美)
【中国・四国支部企画】認定心理士の会 公開シンポジウム(対面開催)「エビデンスに基づいた学校教育支援の在り方について考える」
2025年11月8日(土)15時30分より広島修道大学にて、中国四国心理学会第81回大会との共催で「エビデンスに基づいた学校教育支援の在り方について考える」と題した公開シンポジウムを開催しました。本企画は、学校教育支援を「経験と勘」に委ねるのではなく、実証研究に基づく知見を手がかりに教育の質を高めるという観点から、研究知見と現場実践をどう接続するかを検討することを目的としました。とりわけ、現場の教員は多忙さゆえに研究にアクセスする時間を確保しにくく、研究者側も実践文脈を理解し継続支援を行う余裕が限られるという課題を共有したうえで、両者をつなぐ「翻訳」と「協働」のあり方を改めて問い直しました。
当日は、学校現場が直面する喫緊の課題を、(1)生徒指導、(2)いじめ、(3)不登校、(4)教員のメンタルヘルスの4領域から取り上げました。濵田真司先生(廿日市市教育委員会)からは、生徒指導をめぐる多様化・複雑化した課題と、未然防止・早期対応の具体的取組が紹介されました。西野泰代先生(広島修道大学)からは、いじめの重篤化を背景に「いじめの負の連鎖」や傍観のメカニズムを実証的に検討する視点が提示されました。義田俊之先生(広島修道大学)からは、不登校の要因と支援方略について、校種・性別等の観点を含めて整理が行われました。井川純一先生(東北学院大学)からは、うつ・バーンアウト等のトピックに加え、支援者である教員自身のサポートの重要性が論じられました。指定討論の吉良悠吾先生(久留米大学)からは、各話題を横断しつつ、エビデンスを現場で「使える知」として活用していくための課題と展望がまとめられました。
教育の世界では、データに基づく支援や意思決定が、近年ようやく志向されるようになってきたように思います。今回の共催企画は、その流れの一つの表れとして、心理学的視点から複数の教育課題を横断的に検討する一つの試みであったと感じました。現場の経験知を尊重しつつ、「実証」と「実践」をつなぐ視点が共有されたことは大きな収穫であり、こうしたエビデンス重視の取組の蓄積が、複雑化する教育問題の理解を深め、よりよい改善につながりうることを実感しました。
本シンポジウムが、研究者・教育行政・実践者・認定心理士の皆様の対話を促し、地域の学校教育支援をより確かな根拠に基づいて進めるための一助となれば幸いです。末筆ながら、ご登壇の先生方ならびに企画・運営にご協力くださった関係者の皆様、当日ご参加くださった皆様に厚く御礼申し上げます。
(中国・四国支部:向居暁)
【九州・沖縄支部企画】認定心理士の会 公開セミナー(オンライン開催)「障がいのある人のワークスタイル」
2025年8月30日(土)の13時から16時まで、「障がいのある人のワークスタイル」と題して、認定心理士の会 九州・沖縄支部による2025年度公開シンポジウムが開催されました。会場はZoomオンライン会場で、当日の開催の挨拶および司会進行は、本企画を担当した一人である中村学園大学の三上が行いました。当日の参加者は136名で、認定心理士の方は78名でした。話題提供の先生方は、臨床心理学について研究をされている3名の先生でした。概略とまとめは、当日の講演順に以下の通りとなります。
最初に、近畿大学の神近裕樹先生からは、「視覚障がいのある方への心理支援に携わって感じたこと」というタイトルで、視覚障がいの種類、そして、ご自身が携わっている福岡視力障害センターでの利用者さんとの関わりから、障がいのある方々の仕事についての課題お話いただきました。
次に、福岡歯科大学の足立友理先生からは、「それぞれの生活に困難さを抱えた人たちへの病院臨床及び学生相談の症例」というタイトルでお話いただきました。3つの症例をご紹介いただきながら、心理の3つの視点(生物-心理-社会モデル)をベースに、生活の困難さの理解と支援についてお話いただきました。
最後に、九州大学の島田乃梨子先生からは、「身体障害当事者としての働き方と当事者グループを通した心理支援」というタイトルで、先生ご自身の障害当事者としての働き方や仕事の調整、対話についてお話いただきました。
今回のシンポジウムは、話題提供の3名の先生方ならびに多くの認定心理士の方にサポートをいただきました。また、認定心理士の会運営委員会であるNECソリューションイノベータの宮島健先生には、企画から当日の司会進行まで幾度となくお力添えいただきました。末筆ながら、今回のシンポジウムに携わっていただいた全ての皆様に心から御礼申し上げます。
(九州・沖縄支部:三上聡美)
【九州・沖縄支部企画】認定心理士の会 公開講座(対面開催)「九州心理学会 第86回大会公開講座」
2025年11月29日(土)の13:10から14:40まで、西九州大学で開催された九州心理学会第86回大会において、「依存症のメカニズムと臨床」「読み書きに困難のある児童生徒のアセスメントと支援」「箱庭・コラージュ表現から見るイメージの世界」の3つの公開講座が行われました。当日の参加者は計72名で、認定心理士の方は27名でした。話題提供の先生方は、九州(福岡県)において心理学の臨床や研究、実践活動に取り組まれている3名の先生でした。概略とまとめは以下の通りです。
最初に、カウンセリングスペースひなた猫・肥前精神医療センターの中島薫先生からは、「依存症のメカニズムと臨床」というタイトルで、心理臨床におけるどの領域でも必ず出会う疾患の一つとしての依存症について、その当事者たちが依存症に至る背景や、回復に向けた行動変容、支援についてお話いただきました。
次に、佐賀大学の中村理美先生からは、「読み書きに困難のある児童生徒のアセスメントと支援」というタイトルで、子どもたちの読み書き困難の背景にある認知特性や、観察・検査を用いた多角的なアセスメント方法、ICTを活用した支援方法、自己肯定感を育むための言葉かけなど、アセスメント結果に基づいた具体的な支援策と連携のあり方についてお話しいただきました。
最後に、西九州大学の西村喜文先生からは、「箱庭・コラージュ表現から見るイメージの世界」というタイトルで、箱庭やコラージュに向き合うことの意味、そしてセラピストとクライエントとの関係に焦点を当てて、どのように感情が育まれ、イメージが展開していくのかご自身が担当された症例をご紹介いただきながらお話しくださいました。
今回のシンポジウムは、話題提供の3名の先生方ならびに多くの認定心理士の方にサポートをいただきました。また、九州心理学会事務局である久留米大学の原口雅浩先生には、企画から当日の運営まで幾度となくお力添えいただきました。末筆ながら、今回のシンポジウムに携わっていただいた全ての皆様に心から御礼申し上げます。
(九州・沖縄支部:三上聡美)
【認定心理士の会運営委員会企画】2025年度第11回新刊連動講座 認定心理士の会×北樹出版『エピソードでわかる子ども・子育て支援―子どもの育ちを支える』刊行記念イベント
「子ども・子育て支援を身近な話題として考えてみよう」
- 2026年2月28日(土)15:00~16:30(開場14:50)
- Zoomオンライン会場(定員500名・参加費無料・入退室自由)
- 西村太志先生(広島国際大学)、古谷嘉一郎先生(関西大学)、梅田弘子先生(広島国際大学)、山崎茜先生(広島大学)
- 日常の子ども、子育てに関わる、あるあるエピソードを通して、子どもと子育てについて、様々な側面から解説した読みやすい入門書をこの度刊行しました。この本では、子どもの発達の特徴、成長の中での安全について、子どもの教育や学校等への適応の問題やそのサポート、さらに子育て中の保護者の心理を解説するとともに、子育てを取りまく社会の制度、行政から民間に至るまでの支援について、紹介しています。子ども・子育てを「個」から、「社会」から読み解く内容です。今回は、編者の4名が、この本の特徴や、活用の仕方、編者それぞれの「推し」ポイントについて、話題提供します。
- 書籍を特別価格にて販売します。
新刊『エピソードでわかる子ども・子育て支援―子どもの育ちを支える』定価2,530円(税込)+500円(送料)→特別販売価格2,200円(税込)(送料無料)。また、『エピソードでわかる社会心理学<新版>』も割引価格でご購入できます。定価2,310円(税込)→特別販売価格2,000円(税込)(送料無料)
※2冊以上お買い上げの場合はさらに100円引き。 - 2026年2月24日(火)
下記のサイトより書籍購入をお申込みいただけます。
https://series-episode.square.site/ - 日本心理学会ホームページでご案内しています。
https://psych.or.jp/authorization/ninteinokai-book_20260228_episode/
(新刊連動講座WG長:河地庸介)
【認定心理士の会運営委員会企画】日本心理学会第89回大会 会員参加・体験型企画(対面開催)
「マインドフルネスの基本を正しく理解しよう!」
2025年9月7日、日本心理学会認定心理士の会運営委員会主催の大会企画シンポジウム「マインドフルネスの基本を正しく理解しよう!」が開催され、人間環境大学総合心理学部の伊藤義徳先生による参加・体験型の講演が行われました。本企画は、近年マインドフルネスがブームとされ、多数の書籍やアプリ、動画が発信される一方で、「何がマインドフルネスなのか分かりにくくなっている」という状況を踏まえ、マインドフルネスの中核的要素を心理学の観点から分かりやすく整理することを目的として開催されました。
講演では、まずマインドフルネスの語源であるパーリ語satiに言及し、マインドフルネスが、「今ここ」での経験に対して、評価や判断を加えることなく、意図的に注意を向ける実践であることが説明されました。こうした実践を重ねていくことが、自己理解へとつながり、「智慧の獲得」に至る過程であることも述べられました。講演内では、呼吸や身体感覚に注意を向ける短時間のマインドフルネス実践が行われ、参加者は伊藤先生のガイドのもと、自身で体験することを通して理解を深めました。あわせて、脱中心化やセルフ・コンパッションといった心理学的概念との関連、マインドフルネスに基づく心理療法、および近年の研究動向についても紹介されました。
本企画は、これからマインドフルネスに取り組む人にとっての導入として、また既に実践や研究に携わる人にとっても、その基盤を改めて確認する有意義な機会となりました。
(運営委員会委員長:河地庸介)
【認定心理士の会運営委員会企画】日本心理学会第89回大会大会企画シンポジウム(対面開催)
「令和を生きる心理学を学んだ人のキャリア探索」
日本心理学会第89回大会企画シンポジウムとして、2025年9月7日(日、大会3日目)に「令和を生きる心理学を学んだ人のキャリア探索」を開催しました。企画代表は日本心理学会認定心理士の会運営委員でした。話題提供者とタイトルは、石橋里美先生(東京未来大学)「心理学の学びをキャリア形成に活かす―授業での実践紹介―」、森本康太郎先生(福井県立大学)「キャリア探索と心理学的気づき―イラショナルキャリアビリーフ研究の視点から―」、児玉真樹子先生(広島大学大学院)「キャリアレジリエンス―キャリア形成上の危機を乗り越えるために―」でした。
本企画は、生成AIをはじめとする技術革新が進み、仕事のあり様も刻々と変化している昨今において、令和を生きる学生達はどのようなキャリア探索を行っていったらよいのだろうか、という問いに対し、学生や若手の指導に関わる場面や、今後のキャリアパスを考える場面に役立つ最新の知見を伺い議論することを目的として行いました。
石橋先生からはやりたいこと志向での仕事選択が一般化する学生相手の動機づけに関する学習などの心理学の学びの活かし方の実践例を、森本先生からは自分を縛るのではなく成長につながるための自らの思考への気づきの重要性と、そのために必要な自分の思考に気づくための心理学の学びの意義について、児玉先生からはvucaの時代でも持続可能なキャリア形成につながる適切なキャリアレジリエンスに関する様々な角度からの調査研究について、それぞれお話しいただきました。会場にはまさにこれからのキャリアを考えていく若い研究者・大学院生の姿も多く見えたように思いますし、就職を間近に控えた学生と多く関わる私たちも非常に刺激される内容でした。話題提供の先生方、シンポジウムにご参加くださった皆様ありがとうございました。
(運営委員会:森本文人)
【認定心理士の会運営委員会企画】2025年度第6回新刊連動講座 認定心理士の会×東京大学出版会『ままならぬ顔・もどかしい身体─痛みと向き合う13話』刊行記念イベント
「顔や身体は誰のもの?」
2025年8月6日(水)に実施しました。講師は山口真美(中央大学文学部)、参加者は143名(うち認定心理士110名)でした。
参加者特典として、書籍が特別価格(定価2,420円→特別価格2,178円(税・送料込み))にて販売されました。
YouTubeでアーカイブが公開されています。
(https://youtu.be/1yhvvh1hhGQ)
【認定心理士の会運営委員会企画】2025年度第7回新刊連動講座 認定心理士の会×ちとせプレス新刊連動講座『認知行動理論で考える健康・医療心理学 ―治療から予防まで,心理学を医療現場に応用する』刊行記念イベント
「健康と医療に対する理解を深める」
2025年10月18日(土)に実施しました。講師は平井啓先生(大阪大学大学院人間科学研究科)、参加者は141名(うち認定心理士113名)でした。
参加者特典として、書籍が特別価格(定価2,640円→特別価格2,240円(税込・送料無料))にて販売されました。
【認定心理士の会運営委員会企画】2025年度第8回新刊連動講座 認定心理士の会×有斐閣『サイエンティスト・プラクティショナー入門 ─心理職をめざす人のために』刊行記念イベント
「心理職のための「科学者―実践家モデル」を学ぼう」
2025年11月29日(土)に実施しました。講師は武藤崇先生(同志社大学)、参加者は93名(うち認定心理士68名)でした。
参加者特典として、書籍が特別価格(定価2,200円→特別価格1,980円(税込・送料無料))にて販売されました。
YouTubeでアーカイブが公開されています。視聴期限:2026年3月2日14時まで。
(https://youtu.be/ymD-WNhYCTo)
【認定心理士の会運営委員会企画】2025年度第9回新刊連動講座 認定心理士の会×ナカニシヤ出版『オンライン心理学実験・調査入門』刊行記念イベント
「誰でも簡単、Googleフォームとlab.jsで作れる!」
2025年12月13日(土)に実施しました。講師は紀ノ定保礼先生(大阪工業大学)、大杉尚之先生(山形大学)、小林正法先生(山形大学)、参加者は86名(うち認定心理士51名)でした。
参加者特典として、書籍が特別価格(定価2,970円→特別価格2,673円(税・送料込み))にて販売されました。
YouTubeでアーカイブが公開されています。
(https://youtu.be/-WuvIRGbJaI)
【認定心理士の会運営委員会企画】2025年度第10回新刊連動講座 認定心理士の会×日本評論社『カップルセラピーの教科書』(上・下)刊行記念イベント
「こころの科学は夫婦/カップルを救えるか?」
2026年1月17日(土)に実施しました。講師は三田村仰先生(立命館大学)、参加者は142名(うち認定心理士97名)でした。
参加者特典として、書籍が特別価格(上・下2セット定価7,040円+660円(送料)→特別価格6,292円(税込・送料無料))にて販売されました。
(新刊連動講座WG長:河地庸介)
十数年ぶり(2009年の新型インフル騒動以来)にインフルエンザに罹り、数日だけ仕事から強制的に解放されました。熱のピークを過ぎ、たまったバラエティ番組の録画は見られても、さすがに論文を読み書きする気力までは戻りません。ところが、後回しにしていた研究関連の動画(新刊連動講座とか)ならちょうどよく頭に入り、知的な栄養補給ができました。振り返れば、インプットを後回しにしたまま、アウトプットに追われていた気がします。忙しいほど「急ぐこと」が優先され、知識をアップデートする時間が取れません。時折立ち止まって、学ぶ時間を確保する大切さを実感しました。
今号が、皆様にとって知的な栄養を補い直す契機となれば幸いです。引き続き、認定心理士の会の活動をよろしくお願いいたします。
(運営委員会委員:向居暁)
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認定心理士の会運営委員会〒113-0033 東京都文京区本郷5-23-13田村ビル内公益社団法人日本心理学会事務局jpa-ninteinokai@psych.or.jp
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