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表彰

国際賞 奨励賞受賞者―大塚 由美子(愛媛大学)

大塚 由美子

愛媛大学

評価理由

大塚 由美子氏は乳児の視知覚の発達や成人の顔や視線方向知覚に関する研究を精力的に行っている。国内はもとより,イタリアやアメリカ,イギリス,オーストラリアなど様々な国の研究者と幅広く共同研究を行っている。その成果は筆頭著者としての18 編を含む45 編の論文掲載として結実している。これらは国際的な専門誌であるNeuroImage,Child Development,Journal of Experimental Psychology: Human Perception and Performance といった脳科学,発達心理学,知覚・認知心理学の一流学術誌などに掲載されている。多様な研究手法と分析方法を駆使して海外の研究者とともに,心理物理の実験を中心とした堅実な研究の積み重ねが十分ある。加えて,この分野を力強く牽引する立場として,今後一層の活躍が期待できる。こうした点から国際賞奨励賞を授与するにふさわしいと判断した。

受賞者のコメント

この度は過分な賞をいただき大変光栄です。このような賞をいただけるのも研究者の道を歩み始めた早い段階から国際学会への参加や海外の学術雑誌への論文投稿を支援してくださった恩師、山口真美先生(中央大学)と金沢創先生(日本女子大学)や共同研究の機会をいただいた多くの先生方、一緒に研究を進める中で様々な形で協力してくれた同僚や後輩のおかげです。

「国際賞」をいただいたことで振り返ってみると、新型コロナ感染症の蔓延により海外はもとより県外への移動もなかなか難しいような昨今の状況から考えると、簡単に海外に渡航できた贅沢な学生時代を自分は過ごしてきたなと感慨深いです。なかなか移動が難しい中で多くの学会や研究会がオンライン化し、渡航費や移動時間の負担がなく色々な場所の会合に参加できるため、地方にいるものとしてはメリットも大きいとは感じています。移動せずとも会議を行ったり、国際共同研究を行ったり、ということも十分可能な世の中で、若い方々はきっとこの状況に柔軟に対応して研究にまい進されていて、もはやこの状況が当たり前のようになっているかもしれません。ただ、自分の経験を振り返ると、やはり学生時代に初めて参加した国際学会などで読んでいた論文の著者の先生たちを目の当たりにするのはやはりとても刺激的なものでした。この状況が早く終息して欲しいなと祈るばかりです。