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表彰

国際賞 奨励賞受賞者―有賀 敦紀(広島大学)

有賀 敦紀

広島大学

評価理由

有賀 敦紀氏は,視覚的注意に関する領域において精力的に研究を進めてきた。特に,人間の認知過程における時間特性の解明に関する有賀氏の貢献は大きい。その一例として,ヴィジランスの低下を説明する「馴化モデル」の提案が挙げられる。このモデルは,半世紀以上もの長きにわたり主流であると考えられてきた「資源モデル」に代わるものとして提案されたものであるが,今日では主要なモデルの1つと考えられており,当該研究領域で大きな影響力を持っている。また,最近では,視覚的注意の領域にとどまらず,消費者行動の背景にある認知過程に関する研究も展開してきており,有賀氏の守備範囲の広さがうかがえる。これらの研究は,比較的最近開始されたテーマであるにもかかわらず,既に国際的な評価も高く,今後さらなる発展が期待される。以上より,有賀氏は本学会国際賞奨励賞にふさわしく,我が国の心理学を牽引していく研究者の一人と考えられる。

受賞者のコメント

このたびは国際賞奨励賞という名誉ある賞をいただき,大変光栄に思います。指導していただいた先生方,研究生活を支えてくれた先輩や後輩,同僚,一緒に研究してくれた学生の皆さんのおかげです。この場を借りて心より御礼申し上げます。

思い返せば,学部生のときに受けた授業がきっかけで認知心理学を勉強・研究したいと思い,大学院に突き進み,いつの間にか20年ほどが経過しました。研究テーマは年々変化していますが,「人間を知りたい」という研究に対するときめきはその頃からまったく変わっておらず,そのことに自分でもちょっと驚いています。今回の受賞により,自分の研究を改めて見つめなおすことができました。初心を忘れず,これからも新たなテーマに挑戦し続け,なにより研究を純粋に楽しみ,その楽しさを少しでも多くの方々に伝えられるよう,精進してまいりたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。