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表彰

国際賞 功労賞受賞者―子安 増生(京都大学 名誉教授)

子安 増生

京都大学 名誉教授

評価理由

子安 増生氏は,国内の心理学の国際化を促進させることに加え,世界において日本の心理学のプレゼンスを向上させてきた。具体的には,子安氏は,文部科学省グローバルCOE プログラムのプロジェクトリーダーを務め,国外の複数の大学との間に国際ネットワークを確立し,共同での企画や教育研究事業を実施した。さらに,この事業を英国心理学会発達部門と日本発達心理学会の交流事業として発展させ,キーノートスピーカーをお互いに派遣する事業が定着した。また,国際学術誌Psychologia 誌に長年携わり,国際的な地位を確立した。子安氏は,Psychologia の編集長を6年間務め,インパクトファクターのある英文雑誌としてそれに相応しい査読体制を整え,外国からの多くの投稿を得るなど同学術誌の国際的なプレゼンスの向上に大きな寄与をしてきた。以上のように,子安氏の多大な国際的貢献は本学会国際賞功労賞にふさわしい。

受賞者のコメント

この度は,名誉ある国際賞功労賞を受賞することになり,大変光栄に存じています。受賞理由として,私の次のような学術活動が評価されたと承知しています。
・文部科学省グローバルCOEプログラムの拠点リーダーを5年間務め,海外の複数の大学との間に国際ネットワークを確立し,教育研究事業を共同で実施したこと。
・日本発達心理学会の理事長を6年間務め,英国心理学会発達部門との研究交流プログラムを開始し,相互の年次大会にキーノートスピーカーを派遣するなどの事業を実施してきたこと。
・わが国から世界に発信する国際心理学雑誌Psychologiaの編集長を6年間務め,インパクトファクターのある英文誌に相応しい査読体制を整え,海外からも多くの投稿を得たこと。さらに,同誌の発行団体の会長を6年間務めたこと。
・2016 年7 月に横浜で開催された第31 回国際心理学会議の組織委員会のメンバーとなり,会場委員会の副委員長として大会の準備と運営に協力したこと。

国際賞功労賞は研究業績を対象にするものではありませんが,研究面では「心の理論」研究を早くからわが国に紹介し,そのテーマを含む認知発達に関する数多くの国際共同研究を実施してきたこともあげておきたいと存じます。

以上のような多くの成果を上げることができたのは,海外の研究者を含む大勢の方々のご協力があってのものであり,ここに関係の皆さまに心より厚く御礼を申し上げます。