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表彰

国際賞 功労賞受賞者―野口 京子(文化学園大学 名誉教授)

野口 京子

文化学園大学 名誉教授

評価理由

野口 京子氏は,日本及び世界の健康心理学分野における研究教育の発展と国際化を牽引してきたことに加え,世界の心理学分野における日本のプレゼンス向上に大きく貢献してきた。まず,野口氏は,英語で書かれた書籍を多く日本語に翻訳して発出することで,世界と日本をつなぎ,多くの知見の導入と発展に貢献してきた。さらに,Asian Society of Health Psychology(アジア健康心理学会)事務局長及び会長,International Society for Health Psychology and Research(国際健康心理学会)副会長及び理事,International Association of Applied Psychology(国際応用心理学会議)理事,ICP2016(国際心理学会議)会場委員長と,国際学会において重要な役割を務めてきた。日本の心理学を世界に開き,世界における日本の心理学のプレゼンスの向上に大きく貢献したのみならず,専門領域に加えて心理学領域全般で国際的に活躍し,日本と世界の心理学を牽引される姿は,多くの国内外の心理学者を勇気づけ励まし,そして,日本が世界に開かれていることを示した。これらの野口氏の日本と世界における国際的な活動と業績,そして,それが日本の心理学分野に与えてきた多大なる影響は,本学会の国際賞功労賞にふさわしい。

受賞者のコメント

この度は、2021年度国際賞功労賞を賜り、誠にありがたく光栄に存じます。日本心理学会、選考委員会の皆様に心より感謝申し上げます。

受賞講演にあたり、いま振り返ってみますと、研究と国際交流の過程は私にとりまして非常に有意義で、また楽しいものでもありました。このように評価していただいことは、多くの先輩方に時に厳しく、時に温かくご指導頂いたおかげであるものと、この場を借りて御礼を申し上げます。

海外の心理学者との交流では、彼らと一緒に研究の理論と実践の発展を目指して力を注いでいるうちに、お互いに、政治や宗教等立場の異なるそれぞれの母国との友好関係も願うようになってきたことに気づかされました。

学問の世界でも、いろいろな学説がそれぞれの現象の真実を捉えています。もし、ものごとの自分の部分を維持し、自分も何も失うことなく、他者にもその場所を与えることができれば、各自の目標を達成しつつ、人間関係においても生産的で実り多くなることでしょう。

今後、さらに変化する環境で生活していく私たちが、その環境とのハーモニーを作り出し幸せに過ごしていくために、心理学の貢献が大きなものであることを願います。

望ましい未来を夢見て描けば良い現在を過ごそうと願うようになり、現在を一生懸命過ごせば、明日になればそれは良い過去となります。今回の受賞を励みに,より一層精進して参りたいと思います。