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常務理事会から

「国際」関連の活動について

今回は国際担当常務理事よりご報告いたします。国際担当は①国際賞の選考,②日本心理学会,韓国心理学会,中国心理学会の年次大会が持ち回りで開催する「日中韓三ヵ国シンポジウム」,③その他の国際関係業務を担当しています。ここではまず①と②について簡単にご紹介します。そして,昨年7月にパシフィコ横浜で日本心理学会年次大会と共同開催された第31回国際心理学会議(International Congress ofPsychology 2016)のうち,特に若手支援の活動についてご報告します。

国際賞

国際賞には,①特別賞(国際的に特段の優れた研究業績を上げ,日本の心理学の発展に寄与した心理学者を顕彰する),②功労賞(国際学会の設立,実施,運営,その他国際的な活動に功績のあった心理学者を顕彰する),③奨励賞(国際的に優れた業績を持つ中堅・若手の心理学者を顕彰する)という三つの賞があります。いずれも会員から推薦された方が選考対象となり,本年度の選考も国際賞選考委員会において順調に進んでいます。例年,受賞者には大会で講演していただくのですが,昨年は ICP2016との共催であったため,それができませんでした。今年の久留米での大会では,昨年度と今年度の受賞者の先生方にご講演いただきます。ぜひ楽しみにいらしてください。

日中韓三ヵ国シンポジウム

2017年度の日中韓三ヵ国シンポジウムは10月21 〜 22日,中国・重慶の西南大学で開催される中国心理学会で開かれます。テーマは「災害後の心理学的援助」(Psychological Assistanceafter the Disaster)です。三ヵ国シンポジウムでは,各国の心理学会から2名ずつがテーマに沿った報告を行います。日本心理学会からも2名を派遣いたします。派遣をご希望の方は,日本心理学会のホームページをご覧いただき,ぜひご応募くださいますようお願いいたします。締切は7月31日です。

ICP2016の若手支援

最後に,ICP2016での若手支援プログラムについてご報告します。このプログラムはEmerging Psychologists' Program( 略 し てEPP)といいます。年齢の「若手」ではなく,キャリアの「若手」であり,博士課程の学生とポスドクが対象です。EPP 委員会が中心となり,日本心理学会とドイツのジェイコブズ基金の支援を受け,旅費や登録料の支援の他,ICP2016の会期+前後1日の計8日にわたり,様々なプログラムを実施しました。

参加のための応募期間は2015年3月15日〜 6月15日で,A(アルゼンチン)から Z(ザンビア)まで,計37 ヵ国から161人の応募がありました。書類選考により41名を選考し,最終的には,事情で参加できなかった1名を除く40名(18 ヵ国)が参加しました。日本からの参加者は6名でした。

ICP2016では,参加者の専門・報告領域として70のトピックを設けていましたが,EPP 参加者の領域も多岐にわたっており,チェックされたトピックは50に上りました。大雑把にまとめますと臨床(24),実験(21),地域・文化(17),神経(9),理論・統計(9),発達(8),司法(7),教育(3),ジェンダー(3),産業(3),サステナビリティ(2)となります(数字は人数。重複カウントあり)。40名中24名が臨床にチェックしていましたが,うち12名は神経心理 and/or 実験にもチェックしており,基礎と応用の距離が近い印象を受けました。

40名の参加者は同じホテルに8日間滞在し,原則二人部屋をシェアするかたちで生活を共にしました。ICP2016会期前は講義やワークショップ,会期中の5日間は10名の先生方にオーガナイザーとなっていただき,シンポジウムを開催しました。また,著名な教授とのランチミーティングや日本心理学会若手の会との交流プログラムもありました。会期後の1日はエクスカージョンで,最新ラボを見学したり講義を受けたりしました。ご協力くださった多くの先生方,EPP 委員会,若手の会,プログラム委員会,実行委員会の先生方に心より感謝申し上げます。

ICP2016を記念し,常務理事会では若手会員の国際交流を支援するプログラムにて議論を進めています。さまざまな国際交流へのご支援を,これからもどうぞよろしくお願いいたします。

(国際担当常務理事・立命館大学教授 仲真紀子)

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