昨年の9月に第1回公認心理師国家試験が実施され，約2万8千人が試験に合格しました。国家資格であることから，職域の拡大が期待されています。これまで心理学は職業に直結しにくい学問であったことから，心理学に関する国家資格ができたことで心理学に関心をもつ若い人が増えることは，一個人としては大変嬉しく思います。それと同時に，公認心理師に限らず，心理学分野の展望についてもっと広い視点で捉え，心理学の社会貢献について次世代を担う私たちが考えることが大切だと思っています。

今年度の日本心理学会第83回大会においても，昨年度の大会に引き続き，若手の会の企画によるシンポジウム，プレゼンバトル・ワンショット発表会，進路相談会などを行う予定です。今年のシンポジウムは，「若手心理学者の活躍する場−国立の研究機関から民間企業等の新しい活躍の場まで−」というテーマで開催し，心理学者の活躍の場の展望性について議論します。心理学分野で研究職を目指す場合，アカデミア以外のキャリアパスについて少しイメージが湧きにくいのではないでしょうか？だからこそ，若手に対する多様なロールモデル・多様なキャリアパス事例を紹介し，心理学を学ぶことで活躍できる職域やその拡大について若手の皆さんと一緒に考えたいと思っています。そして，心理学を活かす方法やフィールドについて模索することが，ひいては心理学の社会への貢献可能性を考えることに繋がるのではないかと考えています。

若手の会では，一人でも多くの若手の皆さんに若手の会の活動を，さらには心理学界を一緒に盛り上げていただきたいと強く願っています。多くの皆さんのご参加をお待ちしています！

（若手の会代表幹事　三浦佳代子・前田駿太）