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心理学研究 第96巻 第1号(2025年4月)

種類 原著論文
タイトル 要請緩和後の脱マスクへの抵抗における不安要因の検討
著者 亀岡 晃佑・白浜 恵・新田 史暁・武藏 諒祐・渡邉 真由・若島 孔文
要約 本研究の目的は,日本国内における政府による要請緩和後の脱マスクの不安要因を測定する尺度を作成し,作成した尺度と脱マスク抵抗の関連について検討することであった。オンライン上で914名(有効回答者810名)を対象に質問紙調査を実施した。その結果,「素顔を見られる不安」と「マスク未着用に対する社会的不安」と「新型コロナウイルス等への感染不安」の3因子からなる脱マスクの不安要因尺度を作成し,その信頼性と妥当性が一定程度確認された。また,それぞれの不安要因と脱マスク抵抗の関連を検討した。共分散構造分析の結果,男女両群において新型コロナウイルス等への感染不安と素顔を見られる不安が脱マスク抵抗との間に有意な正の関連を示した。日本国内においては男女ともに,マスク着用が個人の判断に委ねられた場合,これらの不安が生じることによってマスクを外すことに対する抵抗が生じる可能性が示唆された。
キーワード マスク,脱マスク,COVID-19
個別URL https://psych.or.jp/publication/journal96-1#23010
種類 原著論文 [方法・開発]
タイトル 小中学生用教師評定日本語版マクロスキー実行機能尺度(J-MEFS)の妥当性検証
著者 名越 斉子・山口 一大・石隈 利紀
要約 本研究では,主にノルムデータを用いて,小中学生用教師評定日本語版マクロスキー実行機能尺度(Japanese McCloskey Executive Functions Scale: J-MEFS)の妥当性を構造,および他の変数との関連の側面から検証した。特別な教育的ニーズ(Special Educational Needs: SEN)のない(非SEN)群(男556名,女558名,計1,114名)での確認的因子分析は,2層(自己調整,自己認識・自己決断),9クラスタ,36下位尺度というMcCloskeyモデルに即した構造への適合が相対的に良いことを示した。また,MEFSの内部相関,およびMEFSと他の変数との相関は, 2つの層が実行機能(executive function: EF)の別側面も測定することの証拠を示した。第2層の7クラスタ,および2文脈については,非SEN群男(556名)とSEN群男(111名)の内部相関の比較,非SEN群(1,114名)の教師による学力判断との関連,少数SEN群男の問題行動との関連において,先行研究を支持する収束的,弁別的証拠が見られ,EFの別側面を捉えている可能性があることが示唆された。また,非SEN群男とのクラスタ得点の比較から,SEN群男のEF困難およびEF発達の緩やかさが示された。以上を踏まえ,最後に,研究の限界および今後の課題を論じた。
キーワード 実行機能,自己調整,教師評定尺度,特別な教育的ニーズ,妥当性の証拠
個別URL https://psych.or.jp/publication/journal96-1#23217
種類 原著論文 [方法・開発]
タイトル アタッチメントの状態安定性・不安定性尺度(SAAM)日本語版の開発
著者 中井(松尾) 和弥・大浦 真一
要約 本研究の目的は,アタッチメントの状態安定性・不安定性を測定するState Adult Attachment Measureの日本語版(J-SAAM)を作成し,その信頼性と妥当性を検討することであった。研究1(N = 366)では,J-SAAMが原版と同様に3因子構造(安定性・不安・回避)であること,各下位尺度が十分な内的整合性と基準関連妥当性を有していることが確認された。研究2(N = 245)では,研究協力者をSecurity Priming条件とNeutral Priming条件に分けて介入を行った。その結果,J-SAAMはアタッチメントの状態安定性・不安定性に関する一時的変動を一定程度捉えることが示された。これらの結果によりJ-SAAMは,原版と類似した特性を有し,許容できる信頼性と妥当性を有していることが示唆された。
キーワード J-SAAM,成人のアタッチメント,状態,特性,測定
個別URL https://psych.or.jp/publication/journal96-1#23220
種類 原著論文 [方法・開発]
タイトル 教員評定による地域連携におけるチームワーク尺度短縮版の作成
著者 吉田 琢哉・吉澤 寛之
要約 学校と地域の連携に関する研究を進めるため,その様相を簡潔に測定する尺度の開発が求められる。本研究では,教員評定による地域連携におけるチームワーク尺度の短縮版を作成した。公立小・中学校の教員を対象にweb調査を実施した。確認的因子分析により,教員評定による地域連携におけるチームワーク尺度は教員間の連携,管理職のリーダーシップ,学校と地域の連携からなる3因子構造が確認された。計14項目を削除して教員評定による地域連携におけるチームワーク尺度を短縮化し,改めて確認的因子分析によりその適合度を確認した。小学校と中学校での測定不変性を確認するため,多母集団確認的因子分析を行い,強測定不変モデルの十分なモデル適合度が確認された。教員集団としての集団同一視,職場風土,保護者および地域住民への信頼,そしてアンカーポイント活動への積極性との関連から,基準関連妥当性が確認された。
キーワード チームワーク,地域連携,教員,信頼性,妥当性
個別URL https://psych.or.jp/publication/journal96-1#23223