5年間の活動をふりかえって

若手の会が発足して早5年がたちました。月並みな言葉ですが本当にあっと言う間です。私は若手の会への参加資格（学位取得後10年以内）を超え，卒業することになりました。鈴木華子さんと一緒に世話人を始めた時期が，ちょうど私がポスドクから研究室を主催する立場になった年でもあり，それまで研究一筋だった環境から，教育や運営に色々と試行錯誤してきた5年間でした（今も試行錯誤していますが）。

若手の会の大きな特徴として，分野の多様性が挙げられると思います。心の学問としての心理学は，言うまでもなく多岐に亘ります。脳科学や人工知能，ロボティクスといった最近流行りの分野も，心理学と無関係ではありません。臨床面でも発達障害や認知症等がマスコミでよく特集されるほど注目されています。文理融合や学際性といった言葉では収まらないほどの多様性や可能性を有している心理学だからこそ，将来を担う若手の力が求められているのではないでしょうか。基礎と応用との融合は古くて新しい問題ですが，次世代の学術や社会貢献を生み出すのは若手の役目だと思います。

最近若い人の元気が無いという声も聞かれます。博士の就職難が叫ばれて久しく，若手をとりまく環境やキャリアパスも厳しいものがあるかもしれません。ただ環境や将来について思い悩むよりも，まず行動してみることも大事です。大いに悩む事が大切な時もありますが，若い頭脳を悩むことばかりに使うのはもったいない！日々の研究や活動に悩んだら，視野を広げて若手の会の活動にもぜひ参加してみてください。

私がバトンタッチする次の共同代表は，前田駿太さんです。前田さんは既に幹事として，過去2年半にわたって会の運営を支えてくれています。鈴木さんと前田さんの新しい体制でさらなる会の発展に期待したいと思いますので，引き続き若手の会を宜しくお願い致します。（若手の会OB　小川健二）