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認定心理士の会から
北海道支部会シンポジウムのご報告
今回は2019年10月6日(日)に行われた北海道支部会のシンポジウムについてご報告したいと思います。今年で3年目となるシンポジウムですが,今回のテーマは「社会関係を実証する心理学」でした。対人・社会関係は私たちの日常的にも大きな関心事であると思われます。社会関係を心理学の視点から科学的・実証的に検証する方法について,お二人の話題提供者にご発表いただきました。
最初に阿部匡樹先生(北海道大学大学院教育学研究院・准教授)から「共同行為における社会性─他者との協調を司る神経基盤を探る」という演題で,二人間の共同行為を通した間係性についてのご研究を紹介いただきました。またfMRIで二人の脳活動を同時に測定する方法で,二者のインタラクションに関連する脳内メカニズムについてのご研究を発表いただきました。次に結城雅樹先生(北海道大学大学院文学研究院・教授)から「対人心理の多様性と社会の多様性─比較社会生態心理学の視点から」という演題で,集団や社会といったよりマクロな関係性について,インターネットを使った多国間の実証研究を紹介されました。対人心理の多様性の原因を説明するために,人々を取り巻く社会環境の特性,とくに「関係流動性」との関連について分かりやすくご説明いただきました。
来年度のテーマについては現在選定中ですが,引き続きイベントを企画しております。北海道にお住まいの方,あるいは北海道外からでも是非ご参加いただければ幸いです。詳しい内容や参加方法は,認定心理士イベントのWebページ(https://psych.or.jp/authorization/ninteinokaievent/)をご覧ください。
(認定心理士の会運営委員北海道支部会 小川健二)
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