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若手の会から
新しいこと・初めてのこと
今回,初めて心理学ワールドの「若手の会から」の執筆を担当しています。どのようなことを書けばよいのか,若手らしいテーマは何だろうかと初めての出来事に不安を抱くなかで,若手の多くはあらゆることが初めての経験になっているのではないかと思い至りました。就職や転職もその一つといえます。
私は,今年の春に転職を経験し,4月に新しく開所した放課後等デイサービスで特別支援学校に通う中高生との毎日を過ごしています。事業所の名前には「大人の世界に踏み出していくことを支援する」というねがいが込められています。(職員も同じ状況ではありますが…)施設が開所してまもないこともあり,新しい建物,初めて出会う人など,彼らにとって初めてづくしの世界です。
そのような中,私たちの暮らしは「新型コロナウイルス」「新しい生活様式」など,日々新しいことに直面しています。新しいことは,初めてのことでもあり,自分の知らない世界でもあります。不安や緊張が高まる,受け入れ難いことがあるなど,ネガティブな面もある一方で,多様な可能性を秘めています。最初のころは,毎日のように戸惑いやパニックが起きていた子どもたちも,今では新しい環境に適応し始め,持てる力を発揮する姿が増えてきました。彼らが日々成長していく姿は,私たち大人にとっても初めての出会いや新しい発見があり,たくさんの刺激を受けています。
今年の日本心理学会大会は,「オンライン開催」という新しく,初めての試みとなりました。いずれ気がつけば,オンライン開催がスタンダードになり,それに適応している日が来ているのかもしれません。そのような点でも,今大会はこれからたくさんの新しく,初めての経験を重ねていく若手にとっても,貴重な機会となっているのではないでしょうか。
(若手の会幹事 瀧澤颯大)
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