資格認定委員会より

• 2020年度の最初の委員会（通算第181回）は，新型コロナの緊急事態宣言が解除された6月13日に開催されました。4月に予定していた委員会が前号でも報告した通り，パンデミックの影響のために中止となっていましたので，4か月ぶりの開催でした。そのため審査件数は2回の委員会分となり，1回の委員会での審査件数としては過去最高となりました。

  おまけに，首都圏在住でない委員の先生方の中には，まだ県外への移動の自粛要請が続いていたこともあり，欠席を余儀なくされた委員の方も多く，坂上理事長にも遅くまで審査に加わっていただきました。おかげさまで，「申請後，数か月待っているのに，結果の通知がまだ届かない」という申請者の方々への対応に追われていた事務局のスタッフも助かりました。

  さて，2020年度の初回審査件数は1,204件（1回目の委員会ということで，総審査件数も同数），合格件数は1,150件，資格取得者は1,091名でした。取得者累計では，64,405名となります。認定心理士（心理調査）については，初回審査件数は43件（総審査件数も同数），合格件数は24件でした。審査が全て完了した後に資格発行を行うため，取得者累計は昨年度の156名のままです。

  学会では，資格申請の認定料の納入が新型コロナ感染拡大の影響を受けて困難になった方に対しては，納入期限延長などの措置を検討しております。せっかく申請されて晴れて合格となった方には，認定心理士という名称独占の会員証の取得が可能となるよう支援したいと思いますので，事務局の認定心理士認定料担当（jpanintei@psych.or.jp）までご相談ください。

  新型コロナ感染症対策として，日本全国のほとんどの大学において，今年度は認定心理士の対応科目（とくにc領域基本主題科目である心理学実験実習，卒業研究等）について通常の対面（面接）授業ができず，カリキュラム通りの授業ができない状況にあるかと思います。実際いろいろな大学から，対面状況での調査や実験，実験室実験が難しい状況にあるため，認定心理士資格認定科目の認定基準などのカリキュラム要件（例えば，基本的な内容の心理学実験課題を4課題以上含む6課題以上等）についての問い合わせが増えております。

  学会のHPでご案内している通り，問い合わせには個別に対応しておりますが，代替措置としてWeb会議システム等を利用した授業での実験実習などについても，実験参加者として実験を経験し，認定基準に記載されているような標準的レポートを作成していただければ，オンライン実験，オンデマンド実験であってもシラバス内容の変更についての資料などの提出をもって，原則承認する方向でご相談に応じております。

  なお現在，学会では，教育研究委員会を中心に放送大学の担当者と協働し，コロナ時代に対応した新たな「心理学実験実習」の教材作成などを行っています。対面授業によらない標準的なカリキュラム案を活用することで，心理学実験実習の科目申請の際に支障が生じないように支援できればと考えていますので，ご意見など頂戴できれば幸いです。

  今後の認定委員会の開催予定日は8月1日，10月3日です。新型コロナ感染拡大が収まっていることを願っております。

（資格担当常務理事・久留米大学教授　津田　彰）