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認定心理士コーナー
資格認定委員会より
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1.認定心理士について
2021年度第3回委員会(通算第187回)が10月2日に開催されました。同年9月1日までに受け付けたうち621件を審査し,565件を合格,44件を保留,12件を不合格としました。また,以前の委員会で保留または不合格と判断されたうち追加資料の送付された22件を再審査し,16件を合格,3件を保留,3件を不合格としました。この結果,10月31日時点の2021年度の初回審査数は2,135件,総審査数は2,196件,合格件数は2,076件,資格取得者数は1,724名となりました。資格取得者は累計67,406名です。今後の認定委員会の開催予定日は2021年12月4日です(2021年11月15日現在)。
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2.認定心理士(心理調査)
(通称:心理調査士)について前掲委員会で,9月30日までに受け付けた14件を審査し,10件を合格,4件を不合格としました。以前の審議で保留または不合格と判断された申請のうち,追加資料の送付された2件を再審査し,1件を合格,1件を保留としました。この結果,認定心理士(心理調査)の資格取得者の累計は341名となりました。
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3.大会企画シンポジウム報告
2021年9月1日~8日にオンライン開催された日本心理学会第85回大会で,認定心理士の会企画シンポジウム「認定心理士の会のこれまでとこれから:オープンサイエンス時代におけるシチズンサイコロジストの役割」を行いました。認定心理士の会運営委員会の新・旧委員長(渡邊伸行先生・高瀬堅吉先生)に加えて,科学史がご専門の隠岐さや香先生(名古屋大学)にご登壇をお願いし,三浦が指定討論を行いました。
はじめに,高瀬先生から「認定心理士の会のこれまで:心理学ワールド全体の動向とシチズン・サイエンスとの関係」というタイトルで,話題提供がありました。これまでの認定心理士の会の取り組みと,企画したが実施に至っていない取り組みについて,まとめていただきました。実施した取り組みとしては,各地域支部会におけるシンポジウム,ワークショップなどの開催,年次大会でのシンポジウムおよび社会連携セクションの開催,サイエンスカフェやFacebookでの交流,ニューズレターを通じた情報発信などが挙げられました。次に,隠岐先生から「制度化された科学とオープンサイエンス」というタイトルで,ご講演いただきました。17世紀以降,科学が制度化されていった過程や,21世紀に入ってからのオープンサイエンス推進の流れを解説していただき,最後に日本におけるシチズン・サイエンスの課題を提示していただきました。渡邊先生からは「認定心理士の会のこれから」というテーマで話題提供がありました。今後の会の活動について,上述のこれまでの取り組みを維持しつつ,より積極的に活動に参加してくれる認定心理士を増やしていくことを目標として挙げられました。指定討論では,シチズン・サイエンスプロジェクトに関わる問題や,今後の認定心理士の会の社会における役割について,議論しました。
認定心理士の会のあり方について科学史の専門家を交えて議論する,有意義な機会となりました。
(資格担当常務理事・大阪大学教授 三浦麻子)
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新編集委員のご紹介(五十音順)
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牛谷智一(うしたに ともかず)
千葉大学
専門は比較認知で,視覚認知や空間認知を動物種間で比較しています。『心理学ワールド』は,どの記事もキラキラしていて,それをまとめ上げる編集委員の方々には敬意を抱いておりました。自分には縁がないと思っていましたが,縁だけはあったようです。あまり足を引っ張らないように精進します。
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片山順一(かたやま じゅんいち)
関西学院大学
事象関連脳電位(ERP)という脳波をモノサシとして心のいろんな側面を測っています。最近は生理指標による心の状態の評価という基本の基本に立ち返ったようなこともやってます。世界は変わってます。心理学も変わってます。『心理学ワールド』も変わってゆきます。ご期待ください。
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坂田陽子(さかた ようこ)
愛知淑徳大学
専門は生涯認知発達,赤ちゃんからお年寄りまで一生涯にわたる物事の見方や考え方の「変化」を研究し,日々,人の面白さを実感しています。心理学は誕生してから150年足らずの若い学問,そのため様々な発展的可能性を秘めています。本誌が心理学の近未来を明るく照らす存在になるよう頑張ります。
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東海林 渉(しょうじ わたる)
東北学院大学
専門は臨床心理学・健康心理学。糖尿病の心理支援について研究しています。最近はスマホやデジタル機器が人に与える影響,電子スクリーン症候群(ESS)にも関心があります。『心理学ワールド』は毎号,楽しく拝読しています。「読む」側から「作る」側に回れる機会を楽しみたいです。よろしくお願いします。
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橋本博文(はしもと ひろふみ)
大阪市立大学
日本人に特有とされる心の特性と日本社会のしくみの関係を解き明かす研究を進めています。さまざまな心理学の知見を俯瞰できる『心理学ワールド』の編集にかかわれることを,大変嬉しく思います。読者の方々の「!」や「?」を数多く引き出せるよう尽力します。
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松田いづみ(まつだ いづみ)
青山学院大学
専門は心理生理学で,人が大切なことを隠すときの生理・行動・主観の変化を研究しています。日ごろ専門領域に閉じこもりがちですが,『心理学ワールド』はいつも「ほかの領域ではこんなことになっているのか!」というワクワクを与えてくれます。大好きな雑誌に少しでも貢献できればうれしいです。
編集後記
私は大学で研究を生業としていますので,研究したことを学生や社会に伝えることを重要な使命と思っています。論文,ワークショップ,報道,SNSなど,その方法はいろいろあります。今回の特集では,研究を社会に伝える際の陰と陽を取り上げました。少し陰が多めですが,問題があるから避けるのではなく,自分事として問題に正面から向き合うことが大切だと思います。そして,社会に伝えること自体はとても楽しいので,続けていきたいと思います。(北﨑充晃)
編集委員(五十音順)
編集委員長
片山順一
関西学院大学
副委員長
荒川 歩
武蔵野美術大学
委員
牛谷智一
千葉大学
小野田慶一
追手門学院大学
坂田陽子
愛知淑徳大学
東海林 渉
東北学院大学
橋本博文
大阪市立大学
松田いづみ
青山学院大学
松田壮一郎
筑波大学
明和政子
京都大学
村山 綾
近畿大学
山﨑真理子
鹿児島大学
山本哲也
徳島大学
担当常務理事
原田悦子
筑波大学
心理学ワールド
[96号]2022年1月15日発行 年4回発行(1月,4月,7月,10月)
- 発行人坂上貴之
- 編集・発行公益社団法人 日本心理学会 〒113-0033 東京都文京区本郷5-23-13 田村ビル TEL 03-3814-3953
- 表紙デザイン虎尾 隆
- 印刷・製本新日本印刷
- 制作(株)新曜社