資格認定委員会より

• 1．認定心理士について

  2021年度第4回委員会（通算第188回）が2021年12月4日に開催されました。同年11月12日までに受け付けたうち590件を審査し，520件を合格，66件を保留，4件を不合格としました。また，以前の委員会で保留または不合格と判断されたうち追加資料の送付された24件を再審査し，15件を合格，4件を保留，5件を不合格としました。これを経て，2022年2月17日時点の2021年度の初回審査数は2,726件，総審査数は2,811件，認定可件数は2,650件，資格取得者数は2,188名となりました。資格取得者は累計67,870名です。今後の認定委員会の開催予定日は4月9日です（2022/2/28現在）。

• 2．認定心理士（心理調査）（通称：心理調査士）について

  前掲委員会で，11月30日までに受け付けた4件を審査し，3件を合格，1件を不合格としました。以前の審議で保留または不合格と判断された申請のうち，追加資料の送付された1件を再審査し，1件を不合格としました。この結果，2022年2月17日時点の認定心理士（心理調査）の資格取得者の累計は357名となりました。

  新型コロナウイルス感染禍により2020年度に大きく落ち込んだ認定心理士の申請・取得件数（初回審査・取得者ともに2019年度比69%）は，V字とはいかないまでもかなり回復しつつあります。この資格を取得するには，主体的に心理学実験に携わり，レポートを作成する実験・実習科目を最低4単位取得することが必要です。感染禍による打撃が最も大きかったのがこれらの科目で，対面と同等の内容を提供できるまでに相当の時間を要さざるを得なかったことが急減に，それをある程度実現できたことが回復に，それぞれつながったものと思います。昨年度に適切な実習機会が得られず資格取得が果たせなかった方々には心から申し訳なく思います。それと共に，オンライン対応等に取り組まれた実習担当者各位のご尽力には心から敬意を表します。今後はむしろオンラインの利点を活かしたテーマ選定やコンテンツの作り込みも進むことでしょう。

• 3．心理学との接点を保つために

  認定心理士資格を取得された方がどなたでも無料でご入会いただけるのが「認定心理士の会」です。この会の最大のメリットは，認定心理士の会が企画・実施するセミナーや講習会などのイベント情報をいち早く入手することができ，学問としての心理学との接点を保ち続けられることです。もちろん，どのイベント情報も学会サイト等で広報していますから，お探しいただければどなたでも到達可能です。頼みもしないのに送りつけられるプッシュ型の情報提供は鬱陶しいとおっしゃるかもしれません。しかし，一旦学生という立場を離れると，学ぶという行為は日常からすっと遠ざかります。たとえ学んだ記憶は残ったとしても，それをアップデートするのは難しくなり，巷に溢れる「心理学っぽい」情報の適切さを判断する力も鈍り，プル型で獲得できる情報の質は残念ながら落ちていくのです。そんな時，常に新鮮かつ精選した情報をお手元にお届けできるのが認定心理士の会からのメールでありニューズレターです。心理学を学んだ証としてせっかく認定心理士を取得された皆さんの看板に偽りあり！とならないよう，そしてそれにさらに磨きをかけていただくために，是非ご活用ください。

（資格担当常務理事・大阪大学教授　三浦麻子）