常務理事会から
財務状況のご報告
会員の皆様には日頃の学会活動大変お疲れ様です。本稿では,学会活動の原資である昨年度および今年度の財務状況についてご報告いたします。
2022年度決算について
まず,2022年度の決算ですが,収入(経常収益)は226,777,676円となりました。2021年度は239,780,432円でしたので,13,002,756円の減少でした。実はこれらはコロナの影響ではありません。2020年度にコロナの影響で大きく減収した後,2021年度には一定回復し,さらに,本年度については,受取会費は2021年度から230万円ほど減ったものの,学術集会収入は760万円ほど増えており,コロナ禍からは着実に脱しつつありました。が,すでに稼働しております,新会員システム(JPASS)と同時にオープン予定であった新認定心理士申請システムの稼働のため,一時期申請システムを停止させていただいたために,認定心理士関連の収入が1670万円ほど減少しました。しかし,これは年度をまたいで時期がずれたということで,この分については,すでに2023年度の収入となっておりますのでご安心ください。
一方,支出(経常費用)は246,341,628円となり,2021年度よりも30,050,008円増となりました。これは学術集会開催経費が2021年度よりも31,339,900円増となったことが主な要因です。2021年度はオンライン開催をさせていただき,さらに大会運営会社を厳選することにより,大幅に開催経費を抑えることができました。一方,2022年度につきましては,ご承知のように,コロナ禍明けということで,ハイブリッドでの開催を試みました。ハイブリッド開催は初めての試みであり,コロナ禍明けの久しぶりの対面開催で会場費や人件費等の経費が膨らんだことや,オンライン,オンデマンド配信にはコロナ禍で培ったさまざまなサービスを提供した結果,2021年度を大幅に超える経費となってしまいました。
2022年度単独では,最終的に,19,563,952円の赤字となり,この要因はすでに述べましたように,新システム稼働のための認定心理士関連の収入減約1000万円と,学術集会経費約1000万円です。
2023年度予算について
次に,2023年度の予算ですが,収入予算につきましては257,114,427円で,コロナ禍からの回復と昨年度からの繰り越し分を見込んで,2022年度決算額より3000万円ほどの増としております。また,支出予算につきましては265,706,000円で,これもコロナ禍からの回復を見込み,対面開催に関する,旅費,会場費,人件費,管理費,通信運搬費などを増額しております。当初これらの支出予測を積み上げたところ,現在の収入予算では2400万円ほどの赤字となりましたので,事業費および管理費全体を見直し,一部についてはカットできる部分をカットし,同時に一律割合でカットをかけることにより,860万円の赤字予算としております。結果,やや緊縮予算になっております。
学術集会の経費を考える
学術集会については,2022年度単独で見ても,学術集会収入34,147,000円を大幅に超える44,794,477円の支出となり,1060万円ほどの赤字となりました。学術集会は学会の中核の活動ですので,今後もさらに充実を図ることが期待されますが,持続可能な学会運営を考えますと,経費については,収入内で収まることが重要です。これには,学術集会収入を増やし,経費を抑えることが必要です。参加者が増えることは集会の充実にも通じ,収入が増えれば使える経費が増えます。今年の学術集会には多くの方にご参加いただくことができましたが,来年度はさらに多くの皆様に学術集会にご参加いただければと思います。
(財務担当常務理事/名古屋大学教授 金井篤子)
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