資格認定委員会から

• 1　認定心理士について

  2023年度第3回委員会（通算第196回）が10月14日に開催されましたが，原稿執筆時点でまだ結果がまとまっておりませんので，本年度，現在までの通算件数を今回はお知らせいたします。2023年4月1日以降，9月30日までに受け付けましたうち通算，1,360件を審査し，1,249件を合格としています。取得者累計は，72,025名となっております。

• 2　認定心理士（心理調査）（通称：心理調査士）について

  本年度4月1日から9月30日までにおきまして，128件を審査し，93件を合格としました。通算取得者は，519名となっております。

• 3　第87回大会について

  2023年9月15日～17日に，神戸国際会議場・神戸国際展示場にて開催されました日本心理学会第87回大会にて，認定心理士の会運営委員会企画のシンポジウムとして，「心理学を効果的に活用できる人材の育成：人の特性に根ざした産業・社会の問題解決に向けて」と題し，大阪大学の平井啓先生，名古屋工業大学の田中優子先生のほか，資生堂から平尾直靖様，イデアラボから澤井大樹様と産業界からもご登壇いただき，小俣貴宣様（ソニーグループ株式会社），渡邊伸行先生（金沢工業大学）の司会のもと，活発に意見を交わしました。社会で心理学を活用する例やそうした心理学のポテンシャルを討議し，その育成に向けての意見も交わされました。大会2日目には，社会連携セクション・ポスターの発表が行われました。認定心理士を取得された方々が広い範囲で心理学の知識を生かして活躍いただけるよう，今後もどういったことができるか，アイデアを出し合いながら考えていきたいと思っております。さらに認定心理士の会につきましても，いくらかの組織変更の上，今後さらに発展を目指してまいりたいと思っております。

• 4　認定委員会について

  10月末任期で交替される委員の先生方もかなりおられます。これまでのご尽力ありがとうございました。細かな作業で労力も多いのですが，こうした機会がないと，あまり他大学のシラバスなどに接する機会もありません。ほかの大学でどういった実験演習を行っているかや，カリキュラム上の工夫なども垣間見え，知識として参考になることも多くあります。また，認定の実際を知ることで，所属する大学のカリキュラム改変などの際，気をつけるべきことなど実践的な知識も得られます。また，学会の委員会などの機会で新たな知遇を得，思わぬ人間関係が広がるメリットも享受することがあります。

  学会の会務的な仕事はボランティア要素の強い作業で，たいへん恐縮ですが，こうしたいくらかの利点も念頭に，会員の先生方の積極的なご参加，ご協力を仰ぐことができましたら幸いです。新任期の先生方，どうぞよろしくお願いいたします。

（資格担当常務理事／東洋大学教授　北村英哉）