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認定心理士の会から

イベントは対面がよい?オンラインがよい?

人々の心の健康と福祉の増進を目指すべく認定心理士の会では数多くのイベントを企画・運営しています。9つの地域支部によるイベントに加えて,新刊連動講座の開催も盛んです。これらはとても喜ばしいことなのですが,イベントを開催する際に,対面形式・オンライン形式・ハイブリッド形式での開催のどれがよいのかはいつも悩むところです。

コロナ禍も以前に比べれば落ち着きを見せ,イベントも一律対面形式に戻るかというとそう簡単ではなく,一度受容された新たな選択肢はなかなか無視できるものではありません。関連して,講演会やシンポジウムに関する論文ではないものの,Nature誌でもオンライン会議と対面会議の比較がなされ,対面会議のよさ(創造的なアイデアが生まれやすい)についての報告がなされています[1]。メタ分析論文2でも,オンラインでは対面時よりも認知的負荷が高まり,ストレスや疲労感が引き起こされることが多いことや,非言語的な手がかりの使用が制限されてコミュニケーションの質が低下することなどが紹介されています。こうなるとオンラインの分が悪いのですが,やはり対面は時空間的な制約を受け,コストがかかり,また経験上オンラインイベントに比べて参加者数が大幅に少なくなるように思われます。ちなみにハイブリッドは手間やコスト面から考えると選択しにくいというのが現状かと思います。結局のところ,月並みではありますが,その都度悩みながら,登壇者の先生方,会場,日程,アクセスなどを総合して決める他なさそうです。認定心理士の皆様から開催形式についてのご要望やよい解決策がありましたら是非お聞かせいただければと思います。

(認定心理士の会運営委員会委員 河地庸介)

  • 1.Brucks, M. S., & Levav, J. (2022) Nature, 605, 108–112. 2 Seitz, J. et al. (2024) Int J Hum Comput Stud, 182.

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