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常務理事会から

認定心理士資格認定委員会について

資格担当の常務理事をしております。認定心理士資格認定委員会に出席し,委員長という役割を果たします。業務詳細について,委員になられたことがなければ,想像しがたいさまざまな点があると考えられ,問題の一端をご紹介します。見方によっては愚痴めいて見えるかもしれませんが,もし,心理関連学科でご指導を担う立場の先生方でしたら,頭の一隅にでも置いていただけたら幸甚です。

認定心理士資格の申請者が,ある大学のある学科の卒業生である場合,入学年度等によって経験する科目群が異なるかもしれません。システムにおきましては,その大学が開講する科目群がメニューとして現れます。これらは,大学が事前にカリキュラム検討としてお送りいただいた情報に基づくものです。たいてい,その大学で認定心理士資格の要件となる科目群を指定していて,履修要覧などにそれらを掲載しているケースが多いものと考えられます。

大学としてのカリキュラムの届け出は任意でありますが,認定心理士関連の該当科目部分につきましては,事前の登録が得られますと,今後のシステム改修に向けて,利便性が高まるのではないかと考えております。システム改修の際に,またお知らせすることがあるかもしれません。科目メニューの電子的メリットは,自由記述していた場合には,申請者が科目名を書き間違うといったケースが多発していたことへの改善策となったことです。

審査におきましては,基礎科目c領域実験・実習課題リストの届け出という手続きがありますが,意外というかやはりというか,かなりこの点の審査に重点が置かれております。そのことを先生方から在学中に学生たちにお伝えいただけますと,自身が履修した実験リストをもれなく書き落とすことなく,書類提出できる助けに大いになると思われます。経験した実験の数が不足するために,審査結果をもとに申請者に問い合わせる業務は事務局員の負担にもなっており,不完全な申請による対応業務は,消耗的なものと言えます。これらはプルダウンメニューのようになっておりませんので,正確に記していただくほかなく,単に「記憶課題」と記すのではなく,「記憶の系列効果」といったレベルで記していただくことで審査がスムーズになります。シラバスとも照合しておりますが,申請者が履修者としてすべて出席したかどうか確かめようもありません。本人が過少に報告していれば,そこは欠席したのかとも解釈可能です。お互いに不幸とならないように,まったき情報提供をいただけたら助かります。

以前の紙ベースで,ご指導の先生に押印いただいていた際には,目が行き届いていた点につきましても,申請者自身が届けを出す現況では,このあたりのエラーが多くなる可能性があり,対処について今後も知恵を出し合っていく必要があるものと思っております。

カリキュラム検定も行っておりますが,大学内での改定時にも実験演習の事項群が認定の枠内に入っているかについて,ご配慮いただけますとスムーズです。基礎科目c領域についての基準は向上させる方向での検討もその可能性が日程に上がってきております。

多くの心理学関連課程が,公認心理師資格につながる学部科目に対応してきている現状を鑑み,高負担にならないように,また存在が期待されるような実験科目を前提とするような枠組みへと調整していくことも考えております。ただいま,認定心理士資格申請システムは調整中で,今後,システム改修について小委員会を設けて検討することとなりました。よろしくお願いいたします。

(資格担当常務理事/東洋大学教授 北村 英哉)

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