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若手の会から
地域や人とのネットワーク作り
日本心理学会若手の会は,若手の会員同士で情報交換を行いながら,ネットワークが構築できるように,日々活動をしています。今年の日本心理学会第88回大会でも,「若手の会 大会企画シンポジウム」や「若手のための進路相談会」,「学部生・高校生プレゼンバトル」などを企画しました。学会企画に参加していただけた方で,若手の会の会員と少しでも交流いただけたなら幸いです。
ところで,私が携わらせていただいている,がん患者さんやご家族の心理社会的な支援では,地域のネットワーク形成が求められています。がんになったことで不安を感じるだけでなく,ご自身のことに加えて大切なご家族のことも心配になってきます。病院に通院している間は医療従事者が患者さんやご家族のケアを行っていますが,通院と通院の間や,治療が一段落したあとの空白期間が問題となることもあり,一人で無理に抱え込まず,サポーターを増やしていけるよう,支援の輪を広げていくことが一助になると考えられます。
心理学の若手は,学校に所属している間は先輩や同期が当たり前にいますが,卒業・修了後,他の学校,他の企業などとネットワークを作るのは,自ら進んでいかないと難しいかもしれません。また,オンライン講義やテレワークなども進み,同じ所属の方とも交流をもつことが難しいと感じる方もいるかもしれません。気軽に相談ができる人や居場所があることは,研究活動や臨床活動が円滑に進めやすくなる一助になると考え,そのような相談相手になれるように,また相談場所が作れるよう精進していきたいと考えています。若手の会では,今後も,幅広い分野の研究や教育,応用で融合し,心理学の今後の発展に貢献していくことを目指して,日常的な交流を意識することで,ネットワークを作っていきたいと思います。
(若手の会幹事 佐藤 稔子)
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