常務理事会から
理事長退任のご挨拶
理事長任期終了のちょうど良いタイミングでこの欄の当番が回ってきましたので,退任のご挨拶を申し上げます。
任期中,関係各位には,並々ならぬご尽力を賜りました。毎月開催される常務理事会。もう一つ,やはり毎月開催される大会実行委員会。そのたびに,事務局員の皆さんにも休日出勤を強いねばなりません。これらの方々と会うたびに,休日を奪ってしまって申し訳ないと感じていました。
かくいう私も月2回ペースで日心事務局に「休日出勤」したわけですが,実のところ,あまり辛く感じませんでした。というのも,毎月会う方々を,勝手に友達だと思っていたからです。友達と会って議論するのですから,苦どころか楽しみでした。そして,テキパキと日心の仕事をこなす皆様を目の当たりにして,尊敬の念を抱くとともに,心の内で感謝していました。
石金浩史総務担当常務理事には,おんぶに抱っこでお世話になりました。難しい案件も石金先生がいれば大丈夫。大船に乗った気持ちでした。
金井篤子財務担当常務理事はJPASSを導入し,軌道に乗せていただきました。一時暗礁に乗り上げたシステム開発を立て直してくださり,今や10学会がJPASS仲間となるに至りました。
唐沢かおり大会・広報担当常務理事は,大会副実行委員長として,開催地の候補選定や会員交流会のメニューなど,大から小まで,さまざまな事柄を仕切ってくださいました。
北村英哉資格担当常務理事は,認定心理士資格認定委員会委員長として,コロナ禍で混乱した認定業務を再び軌道に乗せ,さらには資格申請システムの改良に取り組んでくださいました。
佐藤隆夫学術担当常務理事には,元理事長の立場から,さまざまなアドバイスをしていただきました。そして照れずに謳う「日心愛」で,精神的に支えていただきました。
原田悦子編集担当常務理事は,論文誌を巡る環境が大きく変わる中,『心理学研究』『Japanese Psychological Research』の電子化をはじめ,難しい舵取りをしてくださいました。
四本裕子国際担当常務理事は,年次大会における英語発表賞の新設など,国際化に貢献してくださいました。2023年の神戸大会で,オーストラリア・英国・ニュージーランド・タイ・米国から心理学会の重鎮を招いた国際シンポジウムを,スマートに取り仕切ってくださったのは印象的でした。
大会実行委員の皆様のご尽力にも,心より御礼申し上げます。とりわけ竹澤智美先生,田中芳幸先生は,私の懇願を容れていただき,2022年の日大大会から今年の東北学院大大会まで,4回連続で委員を務めてくださっています。
事務局の皆様にも感謝申し上げます。とりわけ仮澤亮事務局長には,お子様との大切な時間を奪う休日出勤に留まらず,メール,Slack,さらには電話で頻繁に連絡を入れ,迷惑のかけ通しでした。
さて私はといえば,任期中,大会参加費の値上げ,赤字縮小のための活動見直しなど,お詫びばかりしていたような気がします。もちろん,日心を安定的に継続するための苦渋の決断であり,良かれと思ってのことですが,心が痛みました。
お詫びすべき時は理事長名でお詫びする。苦情があったら理事長が前に出る。また,自分が足元にも及ばない立派な方を称えるのは僭越だと気後れしながらも,理事長としてきちんと称える……お詫びと称賛が理事長の専権事項であると覚悟して,2年と3か月ほどに亘る任期を務めさせていただきました。
最後になりましたが,会員の皆様,これまでご協力いただき,ありがとうございました。
(前理事長/東北大学教授 阿部 恒之)
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