認定心理士コーナー
資格認定委員会から
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1 認定心理士について
2025年2月8日に開催された2024年度第5回(通算第203回)の認定心理士資格認定委員会では,①1月24日までに受け付けた申請のうち341件を審査し,306件を合格,29件を保留,6件を不合格としました。②また,前回までに保留または不合格と判断されていた者のうち,追加資料が送られてきた25件について再審査を行い,うち20件を合格,2件を保留,3件を不合格としました。③2月8日までに大学等からの問合せが9件あり,審査を行いました。
2025年3月31日現在,2024年度の初回審査数は3,289件,総審査数は3,482件,認定可の件数は3,217件,資格取得者数は3,074名で,この結果,資格取得者累計は,76,699名となりました。
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2 認定心理士(心理調査)(通称:心理調査士)について
第5回認定心理士資格認定委員会では,認定心理士(心理調査)資格申請について1月24日までに受け付けた者のうち3件を審査し,1件を合格とし,2件を保留としました。また,前回までに保留と判断された者のうち,追加資料が送られてきた4件について再審査し,2件を合格,2件を不合格としました。
3月31日現在で,2024年度の心理調査の初回審査数は110件,総審査数は,148件,認定可の件数は85件,資格取得者数は88件で,この結果,資格取得者累計は,634名となりました。
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3 その他
第5回認定心理士資格認定委員会では,システム検討小委員会資格認定細則改定案を承認し,常務理事会・理事会に諮ることとなり,2月16日開催の常務理事会,3月9日開催の理事会において承認されました。施行されますのは,2027年度からとなりますが,比較的大きな変更点は,選択科目(講義科目)について,これまで3領域4単位ずつがあることが要件とされていましたが,改訂では4領域2単位としました。大学での多くの科目開講がセメスター化により,2単位の科目が多くなっていること,公認心理師資格対応などで開講科目の幅が広くなり,心理学の多種の領域の科目が選択可能となっているケースが多くなっているなど,現状の大学カリキュラムの傾向に対応させたものです。
引き続き,c領域の実験演習(実習)は重要な学習と位置づけ,6個程度のレポートを提出する実習課題を求める仕組みが維持されていますので,申請者の側では履修した実験をわかるように具体的に列記することが求められています。この部分が不明瞭なことによって保留とされ,事務局から問い合わせを行わざるを得ないという細かな手間がかかっております。より効率的な対処が可能となるようなシステム上の工夫も準備しているところです。
併せまして,参考とされます科目名の例,基本主題,副次主題とみなされる科目例の表を整備しつつあります。
2027年度の審査から適用される部分につき,現在の学部生が卒業してからの申請で該当するケースも現れてくると考えられます。大学の資格担当の方におかれましては,機会のありますときに,要件を満たすように履修をしているか,学生さんたちがよくセルフ・チェックするようにご指導いただけますと助かります。
また,心理調査の3. 実践領域におきましては,これまでと変わらず,基礎的な実験ではなく,自ら企画した調査・実験などの実証研究でデータをとり,分析した実績を示す卒業論文やゼミ論文,課題研究などが求められています。基礎実験の科目履修で代用はできませんので,しっかり自らの企画とデータ分析などの取り組みが必要となります。成果をまとめたものの提出につきましては,模範となるモデル論文を用意することといたしました。
(資格担当常務理事/清泉大学教授 北村 英哉)
編集後記
日本は超高齢多死社会を迎えたと言われ,先のコロナ禍は死や喪失が私たちのごく身近にあることを突きつけました。また私たちの日常生活において,書くこと,記録することを避けて通ることはできません。しかし,こうした事柄の意味について普段考えることはそう多くはないでしょう。今回の特集・小特集は,ある意味こうした「当たり前」について問い直す企画です。『心理学ワールド』では今後も多様なテーマを取り上げていきます。どうぞご期待ください。 (川島 大輔)
編集委員
編集委員長
片山 順一
関西学院大学
副委員長
松田 いづみ
青山学院大学
委員
牛谷 智一
千葉大学
大北 碧
甲南女子大学
川島 大輔
中京大学
蔵永 瞳
滋賀大学
坂田 陽子
愛知淑徳大学
東海林 渉
東北学院大学
野内 類
人間環境大学
野村 和孝
北里大学
橋本 博文
大阪公立大学
福田 実奈
京都外国語大学
森本 裕子
人間環境大学
担当常務理事
原田悦子
筑波大学/イデアラボ
心理学ワールド
[110号]2025年7月15日発行 年4回発行(1月,4月,7月,10月)
- 発行人 阿部 恒之
- 編集・発行公益社団法人 日本心理学会 〒113-0033 東京都文京区本郷5-23-13 田村ビル TEL 03-3814-3953
- 表紙デザイン重実 生哉
- 印刷・製本新日本印刷株式会社
- 制作株式会社新曜社
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