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若手の会から

若手心理学研究者としてAIとどう付き合うか

2025年度の若手の会企画シンポジウムでは,“AI for 心理学”と“心理学 for AI”という2本の姉妹企画が連続開催されました。両シンポジウムは共通項を持ちつつも相互補完的な内容になっており,半数程度の方々が続けて参加されていました。

前者は“AI for Science”の視点から研究している先生方,ならびに心理学者の先生方から話題提供いただきました。特にAI技術の利用可能性と限界について議論され,フロアからは,AI技術を有効活用したい気持ちと,「どこまで信用していいのか」といった,不確実なまま研究利用することへの不安が広く共有されました。

そして後者では,企業に所属する先生方と研究機関に所属する先生方のそれぞれから,心理学研究におけるAI技術の利用と社会実装の取り組みについて,実践例と課題を話題提供していただきました。特に倫理的課題について議論され,研究者側と利用者側それぞれにおける利益と課題のトレードオフに関心が集まっていました。

全体を通して,AIに対して感じる不透明性から,研究活動に取り入れることへの不安や,自身のAIに関する専門性の限界をどのように解消するか,といった点に関心が集まっていたように思います。特に若手研究者としては,そうした分野に明るい研究者との共同研究を計画することや,企業との産学連携を目指すことが一つの選択肢として提示されたように思います。その一方で,若手研究者が異分野の専門家とつながる機会や,共同研究を推進するための予算獲得が困難であることが課題として挙げられていました。

今回のシンポジウムでも紹介された「心理学若手コンソーシアム」のような場を普及していくことが,この課題を克服する第一歩になることを期待しています。

(若手の会幹事 町田規憲)

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