- HOME
- 刊行物のご案内
- 心理学ワールド
- 113号 心と文化をひもとく――文化心理学のこれまでとこれから
- 日本心理学会が提供している学びのリソース
常務理事会から
日本心理学会が提供している学びのリソース
今期,学術担当の常務理事を務めさせてもらっています能智です。学術担当は,本学会の各種委員会のなかで「教育研究委員会」の委員長であり,「研究活動の促進や援助,心理学教育の改善のための研究や資料収集及び心理学に関連する社会的問題の調査について計画し実行する」役割です。実際のところは,委員会に属する小委員会の活動を側面から支援するのが主な業務になります。小委員会は現在6つあって,それぞれ独自の立場から,日本心理学会の教育・研究の活動を支え,学会員の皆さまはもちろん一般の方々に対しても,心理学の学びを促進する活動を行っています。今回はこれらの小委員会がこれまで提供してきた学びのリソースの一部をご紹介したいと思います。
小委員会の一つである「心理統計法標準カリキュラム作成小委員会」では,統計法の理解に必要な数学の講座を企画・実施しています。本誌が出る頃には終わっていますが,2024年度に続いて2025年度も3月に,「心理統計のための基礎数学講座」を3日間にわたって開催します。対象として想定されているのは,心理統計関連の科目を教えている方々や今後教える可能性がある方々ですが,文系出身の学部生・大学院生の方々にも,基礎的な数学的知識が身につくと好評です。
本学会では,2011年の公益社団法人化を契機として,講演会,シンポジウムなどの企画を充実させてきましたが,2014年よりその内容を心理学叢書としても刊行しております。その企画・運営の中心が,「講演・出版等企画小委員会」です。2025年度は,10月に愛知県で,「こころの加齢と発達─実験研究から考えるウェルビーイング」というテーマのシンポジウムを開催しました。この他,年次大会時にも公開シンポジウムを開催しています。また,心理学叢書としては『公認心理師になる』,『自閉スペクトラムの科学的支援に向けて』,『地球社会で生きるための心理学』の3冊が刊行されました。2026年度についても講演,シンポジウム,叢書の企画が進んでいます。
また,本学会のホームページを見て回っていただくと,ここにもさまざまな学びのリソースが含まれていることにお気づきになるかと思います。例えば上記の「講演・出版等企画小委員会」は,「高校生のための心理学講座 YouTube版」を作成し公開しています。2026年1月現在36テーマが公開されており,それぞれ20~30分程度でそのテーマに関する重要な知見を学ぶことができます。最新のものは,「目標達成へのモチベーションを高めるには?─目標追求の心理学」(2025年4月)です。高校生でなくても十分楽しめる内容を含んでいますので,まだの方は一度はアクセスしてみてください。
他にも学びのリソースとしては,「博物館小委員会」が企画・運営している「心理学ミュージアム」があります。これは,親しみのもてる雰囲気でアカデミックな心理学の内容を楽しみながら学んでもらえることを目指すバーチャルな博物館です。第一線の研究者のインタビューや,特定のテーマについての解説動画やスライドからなっています。例えば,「なぜ被害者を責めるのか」,「嘘つきは目をそらす?」などは人気のコンテンツです。
こうした学びのリソースは,委員の先生方の献身的なご努力のおかげで充実の度を増しており,常務理事会としてもその動きを積極的に後押ししていきたいと思っています。小委員会は他にもさまざまな活動を行っており,本日ご紹介したのはその一部です。これからも機会がありましたら,他の教育研究委員会活動もご紹介していきたいと考えています。
(学術担当常務理事/東京大学教授 能智 正博)
PDFをダウンロード
1




