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The Japanese Psychological Association News Letter

vol.072016 No.5

佐藤 隆夫先生(立命館大学総合心理学部長・教授・日本心理学会常務理事)
佐藤 隆夫先生(立命館大学総合心理学部長・教授・日本心理学会常務理事)

あけましておめでとうございます。おかげさまで、認定心理士の会は、初年度の活動を順調に進めることができ、認定心理士の会のトップダウン型の活動のイメージが固まってきました。これも、会員の皆様のおかげだと感謝する次第です。今年度は、7 月に国際心理学会が横浜で開催されたこともあり、本格的な活動の開始が遅れましたが、5月には東京で認定心理士の会キックオフイベントとして、講演会、懇親会を開催。9 月には、キックオフイベント第 2 弾として、大阪で講演会とワークショップ、さらに懇親会も開催しました。
また、12 月には認定心理士の会独自の企画として、仙台で東北公開シンポジウムを開催し、懇親会も開催しました。その他に、福岡、札幌で、日本心理学会の公開シンポジウムの終了後に、認定心理士の会の懇親会を開催し、多くの方に参加して頂きました。私自身も、そうしたイベントのすべてに参加し、講演会では皆様の学習意欲の熱気に触れ、懇親会では参加者の皆様とお話しをさせて頂き、多くのご要望を頂くことが出来ました。

認定心理士の皆様から懇親会の場で頂いたご要望は、何らかの意味で勉強、学習の機会をもちたいということと、認定心理士として横の繋がりが持ちたいということの二点に集中していました。
そうしたご要望に答えるために、来年度は、本年度にまして認定心理士対象のイベントを増やしていきたいと考え、幹事会では、現在、次年度の計画を策定中です。また、計画立案、イベント実施の側面にも、各地の認定心理士の方々に参加して頂ける仕組みを思案しているところです。そうした仕組みが動き出せば、イベント実施を中心として、各地の認定心理士の皆さんの横の繋がりを作っていくことができるのではないかと考えています。
また、SNS を活用した認定心理士の横の繋がりをつくる企ても、そろそろ実行に移そうと思っております。来年度は、横の繋がりの確保、ボトムアップ型の活動の創出がキーワードとなります。

「横の繋がり」を作り上げていく上での最大の悩みは、個人情報保護との関係です。個人情報を保護しつつ、横の繋がりを確保して行く手段として、SNS を使った交流の場の提供を考えています。
イベント参加者を対象としたアンケートでは、多くの方から SNS を通じた活動に参加したいと回答いただき、この方向へ進む覚悟ができました。
早急に実現の目処をつけたいと考えています。この点も含め、今後も認定心理士の会の活動にご支援をお願いする次第です。

昨年 11月3 日(木・祝)に福岡で、日本心理学会公開シンポジウム終了後に認定心理士の会の懇親会が開催されました。懇親会には 25 名ほどの認定心理士の方がご参加くださり、日本心理学会公開シンポジウムで講演された先生方 3 名も加わって、和気あいあいとした雰囲気で会が催されました。

はじめに、認定心理士の会幹事の佐藤隆夫先生が認定心理士の会の趣旨説明をされ、その後、佐藤先生と、幹事の渡邊が各テーブルを回って参加者同士の交流に加わりました。福岡の懇親会へは、地元福岡の他に、佐賀、長崎、山口、広島、大阪、東京の認定心理士の方々がご参加くださいました。
会では、参加者のお仕事や、認定心理士の会の今後の活動が話題にあがり、会員間相互の積極的な交流が持たれました。懇親会の最後に、佐藤先生から「地域支部を牛耳るつもりで今後も参加してください」というお言葉をいただき、閉会となりました。

佐藤先生
懇親会でご挨拶される佐藤先生

札幌では、11月13日(日)に、やはり日本心理学会公開シンポジウム終了後に懇親会が開催されました。札幌の懇親会には10 数名ほどの認定心理士の方がご参加くださいました。福岡の懇親会と同じく、佐藤先生が認定心理士の会の趣旨説明をされ、懇親会がスタートしました。
札幌では佐藤先生と、幹事の高瀬が各テーブルを回って参加者同士の交流に加わりました。こちらは、参加者はすべて地元の方でした。
懇親会では、参加者のお仕事や、認定心理士の会の今後の活動などの話題で話し合いが盛り上がり、今後の活動については、社内のハラスメント(いじめ、いやがらせ)の勉強会、自殺の勉強会、コミュニケーションスキルの勉強会、発達・精神障害の勉強会、認知症患者とのかかわり方の勉強会、ターミナルケアの勉強会、傾聴スキルなどを習得する体験型ワークショップ、自分が社会で行っている活動に関する個別相談など、様々な提案がありました。

両懇親会では、開催にあたり幹事会が設定した、「認定心理士の会の会員同士の親睦を深め、それぞれの地域で活動を活性化するための礎を築く」という目標が果たされたように感じました。

札幌の懇親会の様子。参加者は皆、熱心に情報交換されていました。

(渡邊 伸行・高瀬 堅吉)

2016年12月17日(土)、13時30分より、宮城県仙台市青葉区の「東京エレクトロンホール宮城」におきまして、表記のシンポジウムを開催いたしました。5 月の東京、9 月の大阪に続き、認定心理士の会による 3 回目のイベントであり、首都圏や関西圏の大都市圏を除く、地方での開催としては、認定心理士の会の最初のイベントとなりました。

東北公開シンポジウムの様子。多くの方々にご参加いただきました。

今回のシンポジウムのテーマは「被災地支援」でしたが、日本心理学会は 2011 年以来、被災地の支援活動および研究への助成活動を行ってまいりました。
今回のシンポジウムの中では、その助成を受けた研究グループのメンバーの先生方から、活動の成果や、それに基づく地域へのご提言をご発表いただきました。
このようなシンポジウムを企画するにあたりましては、東北地方の中核都市であるというだけでなく、東日本大震災の被災地でもあった仙台市で開催することにより、被災地での活動や研究の成果を被災した地域にお住まいの皆様へ還元するという意義もあると考えました。

開催当日は、比較的穏やかな天候であり、94 名の方にご参加いただきました。認定心理士の有資格者や一般市民の多くの方々にご参加いただいたことに加えて、地元のテレビ局(東北放送)と新聞社(河北新報社)より、取材していただきました。
予想以上に多くの方が来聴くださり、テレビカメラの撮影が行われる中でのシンポジウムの進行となりましたので、今回のシンポジウムのテーマである被災地支援の問題に対して、仙台地区、ないしは東北地方の皆さまの関心がいかに高いかをあらためて印象づけられました。
河北新報本紙には、このシンポジウムに関する記事が、開催前に 2 回、開催後に 1 回、合計 3 回掲載され、このシンポジウムの取組みを、多くの市民の皆さまに周知していただきました。

安藤先生
ご挨拶される安藤先生

シンポジウムの内容は、大きく分けて、1) 基調講演、2) シンポジウム第 1 部、3) シンポジウム第 2 部の 3 部構成でした。会の冒頭には、安藤清志先生(東洋大学・日本心理学会常務理事)から、開会のごあいさつを頂戴しました。2 つのシンポジウムに先立つ基調講演では、阿部恒之先生(東北大学・日本心理学会常務理事)より、「被災地のマナー:被災地の日常生活という視点」というタイトルでご講演いただきました。
阿部先生には、後に続くシンポジウムの内容にもご配慮くださり、タイトルとして頂戴した「被災地のマナー」の問題と合わせ、震災後の仙台市などの状況も含め、包括的なご講演をいただきました。

基調講演に次いで、シンポジウムを 2 部構成で行いました。第 1 部では、「メンタルヘルスとストレスケア」と題して、個人への支援に焦点を当てた話題提供をしていただきました。話題提供は、青木紀久代先生(お茶の水女子大学)、筒井雄二先生(福島大学)、ならびに松井豊先生(筑波大学)の 3 名の先生方でした。話題提供に続き、足立智昭先生(宮城学院女子大学)と上埜高志先生(東北大学)に指定討論者としてご登壇いただきました。

第 2 部は、「コミュニテイづくりへの支援」と題し、地域やコミュニティにおける人間関係の結びつきを形成していくための被災地支援に焦点を当てた内容でした。
持田隆平先生(早稲田大学)と水田恵三先生(尚絅学院大学)から話題提供を頂戴しました。それに続いて、安藤清志先生(東洋大学)と野﨑瑞樹先生(東北文化学園大学)に、指定討論として、第 2 部の議論をいっそう深めていただきました。シンポジウムの最後には、佐藤隆夫先生(立命館大学・日本心理学会常務理事)より、閉会のごあいさつを頂戴しました。

17 時を少し過ぎてシンポジウムが終了した後、同じ建物の 2 階にある中華料理店「東龍門」におきまして、17 時 30 分より懇親会を開催いたしました。年末で皆さまがご多忙の時期にもかかわらず、34 名の方にご参加をいただきました。シンポジウムの演者の先生方と旧交を温めるべく、懇親会からご参加くださった方もいらっしゃいました。
懇親会の冒頭には、長谷川寿一先生(東京大学・日本心理学会理事長)よりご挨拶を頂戴しました。

懇親会には、日本心理学会理事長の長谷川先生も参加され、ご挨拶くださいました。

このお店の料理が、なかなかにおいしかったのですが、それに加えて、この会場は、入口から見て、横幅よりも奥行きのほうが長い長方形のスペースであり、繁華な表通り(定禅寺通)に面した長辺の壁一面にガラス窓が並んでおりました。
この表通りではちょうど 12 月に、仙台で毎年恒例となっている「Sendai 光のページェント」(仙台の若い人たちは、これを「ヒカペ」と呼ぶそうです)が開催されており、街路樹に取り付けられた電飾の美しいイルミネーションを、2 階の高さから間近に眺めることができました。これで、お酒とお料理の味が、いっそう高められたものと思います。
イルミネーションが 17 時 30 分に点灯した後、1時間ごとの正時(18 時ちょうど等)になりますと、ウィンク、つまり、いったん一斉に消灯してから、少し時間をおいて再点灯するのですが、これに合わせて、正時の直前に、お店の方に照明を落としていただき、このイルミネーションのウィンクを、皆さまと楽しみました。この仙台で四半世紀近く暮らしてきた私にとっても、平素はなかなか経験できない見ごたえのあるアトラクションでした。ぜひまた、本会の会員の皆さまと、このような素敵な場所で、ご一緒できればと願っております。
心理学の研究報告や情報交換といった学習の機会はもちろんですが、心理学をともに学ぶ皆さまと楽しく語らい、交流できる場を定期的に設けることも、本会の重要な役割であるかもしれません。

最後になりましたが、本シンポジウムの開催におきましては、認定心理士の会の 3 名の会員の方(青野 也寸志 様、澤 由紀子 様、北條 久也 様)が、運営ボランティアにご応募くださり、開催当日の運営をサポートしてくださいました。東北大学の大学院生と、東北文化学園大学の学部学生の方々にも、ご協力いただきました。
また、当日の基調講演、話題提供、指定討論の先生方、認定心理士の会の幹事会の皆さま、ならびに日本心理学会事務局の皆さま、特に、幹事会の渡邊先生、学会事務局の亀岡様、ならびに石井様には、事前の準備から当日の運営まで、いろいろとお世話になりました。この場をお借りして、ご協力くださった皆さまに心より御礼申し上げます。
シンポジウムおよび懇親会の司会は、私(佐藤俊彦)が担当いたしました。司会の力不足がございましたが、皆さまの温かいご支援により、シンポジウムを盛会のうちに終えることができました。ありがとうございました。

(佐藤 俊彦)

Sendai 光のページェントは、仙台で毎年恒例となっている行事です。

12月17日に開催した東北公開シンポジウムにおきまして、参加者の皆さまに、アンケート調査への回答をお願いしておりました。紙面の都合により、以下には、調査結果の一部について、概要のみ記載させていただきます。なお、このアンケートの集計には、学会事務局の石井様にご尽力いただきました。心より御礼申し上げます。

ご参加くださった皆さまにアンケートをお配りしておりましたが、そのうち 57 名の方にご回答いただきました(回収率 60.6%)。
認定心理士の資格の有無につきましては、回答者の 80.7%が認定心理士の資格をすでにお持ちであるか、あるいは取得予定であるという結果でした。
認定心理士の有資格者と取得予定者の数の内訳は、それぞれ 38名と 8 名となっておりました。今回のシンポジウムは、認定心理士の会が企画したものであり、シンポジウム開催の広報についても、日本心理学会からのメール配信を中心に行いましたので、認定心理士の関係者に広く周知され、比較的多くの方にご参加いただけたものと思います。

ご職業は、会社員(10 名)、公務員(9 名)など、フルタイムでお仕事をなさっておられる方が比較的多く、週末のお休みにわざわざご参加くださったことを、たいへんありがたく思いました。年齢層については、回答者の約半数が 40 代から 50 代であり(それぞれ 14 名ずつ)、次いで、60 代(12名)、20 代(8 名)、30 代(6 名)、70 代(3 名)の順で多くなっていました。お住まいの地域としては、地元である宮城県にお住まいの方がもっとも多く、回答者全体の 57.9%を占めており(33 名)、次いで東京が 7 名、山形、青森、岩手、福島、愛知、兵庫の各県からのご参加がそれぞれ 1 名ずつ

となっておりました。幅広い年齢層の方々に関心をお持ちいただいたとともに、東北地方に限らず、幅広い地域の皆さまにご参加いただけたことを、たいへんうれしく思います。

企画内容に関する皆さまのご感想につきまして、今回のシンポジウムの内容についての印象をお尋ねしたところ、多くの方が、「非常に良かった」(13名)または「良かった」(26名)とお答えくださいましたが、他方で、「どちらともいえない」(3名)、「あまり良くなかった」(1 名)といったご回答も見受けられ、企画した立場として、反省すべき点もあったようです。
自由記述で頂戴したご意見も拝読し、今後の企画立案の参考にさせていただきたいと思います。

以上、アンケート調査の結果の一部を抜粋してご報告しました。認定心理士の会会員の皆さまには、本会のイベント開催につきまして、今後も引き続き、忌憚のないご意見をお寄せいただけましたら幸いです。

(佐藤 俊彦)

認定心理士の会主催の平成29年度の活動計画について、現時点で決まっている範囲でご報告します。

大きな行事としては、5 月に広島、9 月に横須賀と久留米、12 月に名古屋で、シンポジウムやセミナーを開催します。大阪でも何らかのイベントを行う予定です。それに加え、東京での認定心理士の会定例会と、オンライン上での懇親会を企画しています。

5月20日に東広島芸術文化ホールくらら、9月9日に横須賀の国立特別支援教育総合研究所にて、認定心理士の会セミナーを開催します。「障がいのある人もない人も“共に生きる”社会を目指して―Diversity in Harmony(調和の中の多様性):心理学が社会に貢献できること―」をテーマに、障がい者の研究や教育に従事している方々にご講演いただきます。横須賀では研究所の施設見学も予定しています。

9月20日~22日の3日間、久留米シティプラザで日本心理学会第 81 回大会が開催されます。この会期中に、公開シンポジウムを企画しています。具体的なテーマなどは検討中ですが、会員の皆様にご登壇いただき、日頃の活動についてご発表いただく予定です。

12 月には名古屋で、公認心理師に関するシンポジウムを開催します。公認心理師に関する動向と、その中での認定心理士の位置づけなど、参加者の皆さんと共に考える場を設定します。もう一つ、大阪でもシンポジウムを開催します。これは時期、場所、テーマ、いずれも検討中です。

認定心理士の会定例会は、日本心理学会事務局の会議室にて開催します。会員同士の交流と、自主的な活動の計画について議論する場を意図しています。2か月に一度くらいのペースで開催する予定です。オンライン懇親会では、インターネット上での会員間の交流を図る試みです。ゲスト講師を招いての講演の配信や、会員間の交流の場を提供いたします。

以上が、現時点での次年度活動計画になります。
イベントの開催を予定していない地域でも、日本心理学会公開シンポジウムに合わせた懇親会などを開催したいと考えています。また、地域で自主的なイベントの企画案がありましたら、事務局までご相談ください。引き続き、皆様のご参加、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

(渡邊 伸行)

2017 年が始まりました!昨年に引き続き、認定心理士の会は、今年もアクティブに活動していくようです。

社会に還元できる心理学を展開するためには、認定心理士の皆さまの個々の活動がとても重要な役割を果たしていると思われます。昨年のワークショップのテーマであったストレスマネジメントや被災者支援は、その最たるものです。そのような観点で、今年は昨年施行された障害者差別解消法を意識したシンポジウムを開催することとなりました。

そして、認定心理士の皆様がよりアクティブに活動するためには、佐藤隆夫先生が述べられた「横の繋がりの確保」、「ボトムアップ型の活動の創出」がキーワードになります。今年一年は、この二つのテーマに基づいて皆様とともに活動できればと思います。

(高瀬 堅吉)

9/20-22 久留米シティプラザで開催される日本心理学会第 81 回大会で認定心理士の会公開シンポジウムを企画しています。
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