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  5. 認定心理士と公認心理師の カリキュラム対応とシラバス

常務理事会から

認定心理士と公認心理師の カリキュラム対応とシラバス

認定心理士と公認心理師の カリキュラム対応とシラバス

常務理事会は月に一度開催され,毎回多くの報告事項と審議事項があり,2時間ほどの間に検討されます。その中から公認心理師に関連した事項で二つのことを報告したいと思います。

ひとつは現行の認定心理士資格との関連です。認定担当の岡常務理事を中心に,公認心理師のカリキュラム科目を認定心理士の認定基準に照らしてどの領域に当てはまるかの検討がなされました。その結果が下表のように報告されました。

  認定心理士 公認心理師
①基礎科目 a.心理学概論  2 心理学概論
b.心理学研究法
  •  4 心理学研究法
  •  5 心理学統計法
c.心理学実験・実習
  •  6 心理学実験
  • 24 心理演習(副)
  • 25 心理実習(副)
②選択科目 d.知覚心理学・学習心理学
  •  7 知覚・認知心理学
  •  8 学習・言語心理学
  •  9 感情・人格心理学
e.生理心理学・比較心理学
  • 10 神経・生理心理学
  • 21 人体の構造と機能及び疾病(副)
f.教育心理学・発達心理学
  • 12 発達心理学
  • 18 教育・学校心理学
g.臨床心理学・人格心理学
  •  9 感情・人格心理学
  • 11 社会・集団・家族心理学
  • 13 障害者・障害児心理学
  • 14 心理的アセスメント
  • 15 心理学的支援法
  • 16 健康・医療心理学
  • 17 福祉心理学
  • 19 司法・犯罪心理学
  • 21人体の構造と機能及び疾病(副)
  • 22 精神疾患とその治療(副)
h.社会心理学・産業心理学
  • 11 社会・集団・家族心理学
  • 19 司法・犯罪心理学
  • 20 産業・組織心理学
認定心理士
基礎科目
a.心理学概論
b.心理学研究法
c.心理学実験・実習
選択科目
d.知覚心理学・学習心理学
e.生理心理学・比較心理学
f.教育心理学・発達心理学
g.臨床心理学・人格心理学
h.社会心理学・産業心理学
公認心理師
基礎科目
  •  2 心理学概論
  •  4 心理学研究法
  •  5 心理学統計法
  •  6 心理学実験
  • 24 心理演習(副)
  • 25 心理実習(副)
選択科目
  •  7 知覚・認知心理学
  •  8 学習・言語心理学
  •  9 感情・人格心理学
  • 10 神経・生理心理学
  • 21 人体の構造と機能及び疾病(副)
  • 12 発達心理学
  • 18 教育・学校心理学
  •  9 感情・人格心理学
  • 11 社会・集団・家族心理学
  • 13 障害者・障害児心理学
  • 14 心理的アセスメント
  • 15 心理学的支援法
  • 16 健康・医療心理学
  • 17 福祉心理学
  • 19 司法・犯罪心理学
  • 21人体の構造と機能及び疾病(副)
  • 22 精神疾患とその治療(副)
  • 11 社会・集団・家族心理学
  • 19 司法・犯罪心理学
  • 20 産業・組織心理学

なお公認心理師科目の「1 公認心理師の職責」「23 関係行政論」は認定心理士で認定できる領域がないと判断されました。

「9 感情・人格心理学」「11 社会・集団・家族心理学」「19 司法・犯罪心理学」「21 人体の構造と機能及び疾病」は二つの領域に当てはめてありますが,いずれに認定されるかは本人の申請によります。

以上の対応は,あくまで公認心理師のカリキュラムが認定心理士の領域に当てはまる可能性があるということであり,最終的な判断は科目内容によって行われることになります。「a.心理学概論」の必要単位数は4単位以上で,公認心理師対応の科目が一つなので,単位が不足する可能性があります。その場合,例えば「18 教育・学校心理学」が心理学の基礎分野(知覚・認知・学習・記憶・言語・思考・人格・動機づけ・感情・発達・社会・行動など)を含んでいれば基礎科目aの領域の科目として申請できますので,この問題は解消されます。その他の専門的科目でaの領域の副次科目として申請することも可能です。「25 心理実習」については,cの副と上表にはありますが,施設見学以外の実習を含む場合には申請可能となるということであり,また実習内容によって最終的に判断されます。この他にも細かな対応については認定委員会で検討され,科目ごとの内容によって判断されることになります。

認定心理士(心理調査)については1.概論領域に「4 心理学研究法」,2.統計領域に「5 心理学統計法」,3.実践領域に「24 心理演習」「25 心理実習」が対応すると考えられますが,いずれにしてもどのような内容を含むかによって判断されます。

つぎに公認心理師関係の日本心理学会の対応として,公認心理師科目の標準シラバスの提案があります。担当の丹野常務理事を中心に標準シラバス案の作成を進めています。こうした標準シラバスの提案の意義は,公認心理師の教育の質を維持するためには授業内容の標準化が必要であること,授業担当者へのガイドラインの提供ができること,があげられます。もちろん言うまでもないことですが,この標準シラバスは,各大学の教育内容を縛るものではありません。日本心理学会が提案する意義は,認定心理士資格事業を長年務めてきた実績があり,この資格は基礎的な知識の習得を認定してきたこともあり,認定心理士のシラバスに準拠することで,基礎的な心理学の知識と技能の習得について担保することができることです。

公認心理師のカリキュラムのシラバス作成の時間的流れとして,2017年11月の常務理事会で方針を決定し,2017年12月に第1次試案を完成し,2018年1月〜2月にホームページで公表し,パブリックコメントを求めさらに改訂してゆくことを考えています。

(日本心理学会理事長・日本大学教授 横田正夫)

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