常務理事会から
広報委員会および公認心理師関係の活動
ウィズコロナの生活のもとみなさまご奮闘中のことと存じます。東洋大学キャンパスで開催予定だった第84回大会も大会史上初めてのWeb開催となりました。日本心理学会は,コロナ禍対策に真剣に取り組み,「新型コロナウイルス感染拡大に関連した実践活動及び研究助成」や,心理学研究特集号「新型コロナウイルス感染症と心理学」一般公募などの活動をおこなってきました。
1.広報委員会の活動
・新型コロナウイルス感染症(COVID–19)関連ページ 広報委員会は,流行の早い段階から,「新型コロナウイルス感染症(COVID–19)関連ページ」を立ち上げて,世界のCOVID–19への心理学的な対策を紹介してきました。掲載した内容は多くの方から注目され,メディアにも取りあげられました。
・科学コミュニケーション・ガイドライン また,広報委員会の仕事として,2020年4月29日に,「日本心理学会 科学コミュニケーション・ガイドライン─研究成果のプレスリリース」を作成しました。近年,研究成果やその意義をまとめて報道関係者に向けて「プレスリリース」を発表する機会が増えていますが,学会員からのプレスリリースが正しく適切に報道されることを願って,このガイドラインを作成いたしました。チェックリストも作られています。ぜひご活用ください。
2.公認心理師関係の活動
日本心理学会は,公認心理師養成大学教員連絡協議会(公大協)と連携して,公認心理師制度の充実に向けた活動もおこなっています。
・緊急アンケートと要望書 新型コロナウィルス感染症の拡大によって,公認心理師養成にも大きな影響が出ています。そこで,公大協は2020年4月に,各大学院の現状を把握するために緊急アンケートをおこないました。この結果をもとに,公大協は,2020年4月30日,厚生労働省の公認心理師制度推進室に対して,アンケート結果を報告するとともに,次の要望書を提出しました。
要望 新型コロナウィルス感染症(COVID–19)について,各地域の感染状況の違いや各大学の置かれている状況を考慮して,実習に係る単位認定について,全国一律の基準ではなく,各大学の実習運営の工夫や努力,およびそれを踏まえた単位認定基準を尊重していただきたくお願い申し上げます。
・2019年度年報の発行 公大協は,毎年,各委員会の活動をまとめて年報を発表しています。2020年4月には2019年度の年報を公表しました。公大協のウェブサイトから自由にダウンロードすることができます。 2019年度の年報はとても充実したものになりました。巻頭言は,厚生労働省 公認心理師制度推進室 室長 風間信之氏からいただきました。現場実習についての「実習指導者用手引き」と「実習生用手引き」,大学院カリキュラム「標準シラバス」が付録としてつけられています。これらは養成において役に立つツールとなりますので,ぜひご活用ください。 さらに,学部教育に関するアンケートや現場実習に関するアンケート調査の結果も付録としてつけられています。これらも養成校の実際を表す資料として重要ですので,ご参照ください。付録が多くなったこともあり,年報は150ページの大部のものとなりました。
・公大協のホームページとメールマガジン 公大協のホームページは,コロナ問題の特設ページを設けるなど充実していますので,一度ごらんください。また,会員のみなさまには会報メールマガジンを配信しています。ぜひご入会ください(入会無料)。
・日本学術会議からの提言 なお,公認心理師に関しては,2020年9月に,日本学術会議から提言「未来のための心理学の市民社会貢献に向けて:高等学校の心理学教育と公認心理師養成の充実を」が発出されました。高等学校の新学習指導要領および公認心理師制度の本格化にともない,高校・大学・市民社会に対する心理学の貢献について,6つの提言にまとめたものです。日本学術会議のウェブサイトの「提言・報告等」のページから自由にダウンロードできますのでごらんください。
(公認心理師担当/広報担当常務理事・東京大学名誉教授 丹野義彦)
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