資格認定委員会より

• 1．認定心理士について

  2023年度第1回委員会（通算第194回）が2023年4月8日に開催されました。3月1日までに受け付けたうち416件を審査し，373件を合格，31件を保留，12件を不合格としました。また，以前の委員会で保留または不合格と判断されたうち追加資料の送付された29件を再審査し，24件を合格，2件を保留，3件を不合格としました。この結果，2023年度の初回審査数は416件，総審査数は445件，認定可件数は397件となりました。

  2022年度の資格取得者数は2,403名でした。資格取得者は累計70,865名です。次回認定委員会の開催予定日は2023年7月22日です。

• 2．認定心理士（心理調査）（通称：心理調査士）について

  前掲第194回委員会で，3月1日までに受け付けたうち6件を審査し，5件を合格，1件を不合格としました。また，前回までに保留または不合格と判断された者のうち追加資料の送付された2件を再審査し，2件を合格としました。この結果，認定心理士（心理調査）の資格取得者の累計は451名となりました。

• 3．祝・シチズン・サイコロジスト奨励賞受賞

  前号で制度の意図をご説明したこの賞の第5回受賞者が一団体とお一方に決まりましたので，ご報告と共にお祝いを申し上げます。

  まず，沖縄がん教育サポートセンターは，代表である徳元亮太さん自らが医療従事者かつがん患者という当事者の立場から，地域の学校で「がん教育」を実践しているNPO法人です。徳元さんからは「今回の受賞は，私個人の力で得たものではなく，沖縄がん教育サポートセンターのスタッフならびに，ご支援頂いた皆様のご協力をいただいた成果だと身に染みて感じております。子どもたちに健康と命の大切さを伝えるために，今後もがん教育の普及・啓発に一層の努力をいたす覚悟ですので，変わらぬご指導をお願い申し上げます。」という受賞コメントをいただきました。今後の活動で，認定心理士としての心理学の知識や技能をさらに活かした取り組みがなされることを期待しています。

  そして，小松渓太さんは，中学校の常駐相談員として，生徒たちの心理的支援に従事されています。特に，その取り組みを日本心理学会第85回大会の社会連携セクションで発表され，また学術論文としてもまとめるなど，広く共有する努力をされていることが高く評価されました。小松さんからは「認定心理士の学校常駐相談員として，子どもの心を支える“チーム学校”の支援者の一人として今後も子ども達の心に寄り添いたいと思います。また学校の中でも認定心理士が機能できることを伝えていきたいと思います。」という受賞コメントをいただきました。

  学校現場に限らず，市民生活に学術的な心理学の知識が役立つ場面は数多あります。あなたのその取り組み，教えてくださいませんか？　次回以降も積極的なご応募をお待ちしております。

• 4．お詫びとご挨拶

  学会全体のシステム更新の影響を受け，長期間にわたり認定業務が滞っております。早期復旧に努めておりますが，ご迷惑をおかけしていることを心よりお詫び申し上げます。

  なお，任期満了に伴い，私がこのコーナーを執筆するのはこれが最後となりました。今後も日本心理学会と認定心理士の方々との協働が進み，資格の社会的価値が高まることを祈念しております。

（資格担当常務理事・大阪大学教授　三浦麻子）