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- 114号 〈言葉〉の心理学――進化・認知・行動・対話から解き明かす
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【特集】
〈言葉〉の心理学─進化・認知・行動・対話から解き明かす
私たちは毎日,当たり前のように「言葉」を使って考え,誰かと話をします。言葉は空気のように身近な存在ですが,ただ情報を伝えるだけでなく,私たちの考え方を変え,心のあり方までも作り変えてしまうほどの不思議な力を持っています。
ひとくちに「言葉」と言っても,心理学からのアプローチはさまざまです。今回の特集では,言葉のルーツを探る「進化」,言葉と意味をどう結びつけるのかに迫る「認知」,言葉が私たちの行動にどう影響するのかを探る「行動」,そして対話を通して現実を捉え直す「対話」という,4つの異なる視点から言葉の謎に迫ります。
動物のコミュニケーションからカウンセリングの実践まで,言葉に関する多様な研究を一度に見渡せる機会はなかなかありません。今回の網羅的な特集を通じて,「言葉」という身近で奥深い世界について,より深く探求していくためのヒントになればと願っています。
(大北 碧)言語の起源と進化

岡ノ谷 一夫(おかのや・かずお)
Profile─岡ノ谷 一夫
1989年,メリーランド大学大学院心理学研究科修了,Ph.D. 取得。専門は生物心理学。千葉大学文学部助教授,理化学研究所脳科学総合研究センター・チームリーダー,東京大学大学院総合文化研究科教授などを経て2022年より現職。単著に『さえずり言語起源論』(岩波書店),『「つながり」の進化生物学』(朝日出版社),『脳に心が読めるか』(青土社)など。
言語は,声を出す能力だけから生まれたものではない。発声,聴覚,学習,社会的認知,文化伝達などが長い時間をかけて絡み合い,人間の言語が成立した。本稿では,まず言語の定義を整理し,次に言語を可能にする条件,動物との比較,ヒト科の間接証拠,文字や生成AIによる外部化,心理学との関係を順に扱う。
1 言語とは何か
言語とは,単なる音声や文字,あるいは意思伝達の手段ではない。より簡単に言えば,言語は,見たこと,感じたこと,考えたことを,他者や自分自身に扱える形に変える仕組みである。話し言葉,書き言葉,手話,内言,文書,電子文はいずれも,言語が具体的に現れた形態である。音声や文字は言語の媒体ではあるが,言語そのものではない。
「言語」と「言葉」は区別できる。言語とは,記号を組み合わせ,意味を作り,共有し,解釈するための体系である。言葉とは,その体系が実際に現れた個別の表現である。この区別は,ソシュールの「ラング」と「パロール」に対応する[1]。人間言語の特徴としては,恣意性,二重分節性,置換性,生産性などが指摘されてきた[2]。恣意性とは,「犬」という音が犬そのものに自然に結びついているわけではなく,共同体の約束によって犬を指すということである。置換性とは,目の前にないもの,過去の出来事,未来の予定,架空の存在について語れることである。
言語を「音声による意思伝達」と定義すると,手話,文字,内言が周辺化される。逆に「情報伝達」と広く捉えすぎると,動物の警戒音,表情,匂い信号まで含まれ,言語の特徴がぼやける。したがって言語は,発声や身振りを学ぶ能力,記号と意味を結びつける能力,記号を組み合わせる能力,他者の意図を推測する能力,社会的規則を維持する能力,世代を超えて表現形式を伝える能力の束として考える必要がある。
心理学的に見ると,言語は伝達手段であるだけでなく,思考,記憶,自己理解を構成する道具でもある。人は経験をそのまま保存するのではなく,語ることによって出来事を選択し,順序づけ,因果関係を与え,意味づける。同じ出来事でも,「失敗」と呼ぶか「挑戦」と呼ぶかによって,心理的な意味は変化する[3]。社会的対話は内面化され,内言として注意,感情,行動の調整を支える[4]。
言語の起源を考える際には,単一起源説を避ける必要がある。言語は,一つの遺伝子や単一の文法機能によって突然生じたものではない。人間言語は,発声器官,聴覚系,神経可塑性,記号化能力,社会的認知,文化伝達が長期的に統合されることで成立したと考えられる[5]。言語とコミュニケーションは重なるが,同一ではない。内言や文書は言語であるが,対面的・双方向的なコミュニケーションではない。逆に,怒りの表情,恐怖の叫び,求愛行動,威嚇姿勢,匂い信号などはコミュニケーションであっても言語ではない。人間言語では,記号と意味の関係が慣習に依存し,社会的規則と語用論的解釈によって運用される点に特徴がある[6]。
2 言語を可能にする必要条件
言語は,突然完成した体系として現れたものではない。ヒトの言語は,信号の生成,知覚,学習,社会的共有,文化的伝達,そこから生じる記号化や文法的構造が重なって成立した能力である。ここでは,私自身が著者として参画した研究から,言語を可能にした条件を,発声学習,社会基盤,構造創発の三つに整理する[7]。ただし,言語はこの三つだけで生じるのではなく,身体,認知,文化,生態環境などの要因とともに成立する(図1)。
第一の条件は発声学習である。発声学習とは,他者の音声を聞き,自分の発声を聴覚フィードバックによって調整する能力である。ヒトの乳児は,成長とともに母語で意味をもつ音の違いに敏感になり,それ以外の差異への感受性を低下させる。発話は,口,舌,唇,喉,呼吸を協調させる運動であり,同時に自分の声を聞いて修正する感覚運動過程である[8]。この過程を支えるのが神経系の可塑性である。乳児は語の境界や音の連鎖を,単なる丸暗記ではなく,入力の分布や反復パターンから学習する。統計的学習の研究は,幼い乳児が音節の遷移確率を利用して,連続音声から語らしき単位を抽出できることを示した[9]。鳥類のさえずりとヒト発話の比較研究も,聴覚フィードバック,感受性期,神経可塑性の重要性を示している[10]。
第二の条件は社会基盤である。発声や知覚の能力があっても,それを共有する他者がいなければ言語にはならない。子どもは,大人の視線や指さしを追い,同じ対象に注意を向ける共同注意の場面で,音声と対象,身振りと意図,行為と意味を結びつける。同じ発話でも,状況によって命令,依頼,冗談,警告になりうる。したがって,言語理解は音声処理だけでなく,相手の意図を読む過程でもある[6]。この社会基盤から派生するのが,記号化とカテゴリー化である。音声,身振り,文字は,それ自体では物理的出来事にすぎない。しかし,共同注意や意図理解の場面で対象,行為,関係,感情,意図を指し示すとき,それらは記号として機能する。語彙は連続的な経験に名称を与え,安定した区別として扱えるようにする[11]。
第三の条件は構造創発である。構造創発とは,最初から完成した文法があるのではなく,表現が何度も使われ,模倣され,世代を超えて伝えられるうちに,しだいに規則らしい型が生まれることである。単独の記号だけでは表現できる内容は限られる。しかし,記号を組み合わせれば,限られた語から多様な意味を生み出せる。「犬が人をかむ」と「人が犬をかむ」は,ほぼ同じ語から成るが,語順によって行為者と対象が変わる。文法は,個体の頭の中に孤立して存在する規則ではなく,発話の使用,反復,模倣,相互調整,世代間伝達の中で生じる規則性である[12]。反復的な継代学習は,言語を保存するだけでなく,より学習しやすく規則的な体系へ変化させる[13]。
3 非ヒト動物に見られる言語関連成分
言語の起源を考えるとき,ヒト以外の動物に「言語」があるかどうかだけを問うのは適切ではない。重要なのは,ヒトの言語を構成する能力が,非ヒト動物の中にどのような形で見られるかである。言語そのものはヒトに特有の複合的システムだとしても,発声学習,社会的使用,文化伝達といった成分は他の動物にも存在している[7]。
鳥類の歌は,発声学習を考えるうえで有効なモデルであり,私自身も長年この研究に関わってきた。多くの鳴禽類は,生まれつき完全な歌を歌えるわけではない。若い個体は成鳥の歌を聞き,自分の発声を調整しながら,種や集団に固有の歌を身につける。鳥類のさえずりとヒトの発話には,初期学習,聴覚入力への依存,自己発声のフィードバック,感受性期といった共通点がある[10]。鳥類の歌には,方言のような地域差が見られることもある[14]。また,歌以外の社会的発声では,異なる意味をもつ地鳴きが連結されることで,連結された意味として解釈される例も報告されている[15]。これはヒトの文法と同じではないが,音声の組み合わせが意味に関わる可能性を示している。
鯨類も,発声学習と文化伝達を考えるうえで重要である。クジラやイルカの音声には,個体や集団に固有のパターンがあり,それが世代を超えて伝わることがある。ザトウクジラの歌やイルカの個体識別的な音声は,集団の中で学習され,変化し,共有される音声文化として捉えられる[16]。ザトウクジラの歌では,複数集団のあいだで歌の型が水平的に伝播する例も報告されている[17]。
霊長類では,発声そのものを柔軟に学習する能力は限定的である。しかし,発声の使い方には可塑性がある。ある声をいつ,誰に向けて,どの状況で出すかは,経験や社会関係に応じて変化する。ミドリザルの警戒音研究は,異なる捕食者に対して異なる警戒音が使われ,それに応じて異なる逃避行動が引き起こされることを示した[18]。また,道具使用,採食技術,移動経路,歌の型,社会的慣習などは,個体から個体へ,また世代を超えて伝わることがある。チンパンジー集団間の道具使用や社会的行動の差異は,その代表例である[19]。
これらの事例から「動物にも言語がある」と結論づけるべきではない。鳥類の発声学習,鯨類の音声文化,霊長類の社会的音声使用,動物文化は,言語そのものではなく,言語を支える部分的能力である。ヒトの言語では,これらの成分が,恣意的記号,組み合わせ性,階層構造,語用論,内言,外部記録,制度,物語,自己理解と統合されている点が重要である。
4 ヒト科における言語進化の間接証拠
言語の進化を直接見ることはできない。音声は化石として残らず,会話も遺跡には保存されない。そのため,言語の起源を考えるには,化石,遺物,DNAといった間接証拠を組み合わせる必要がある。言語進化研究では,発声器官,脳容量,神経発達,象徴行動,社会構造,遺伝的基盤を総合して推論する必要がある[5, 20]。
化石証拠としては,頭蓋,顎,舌骨,発声器官に関わる構造を検討できる。頭蓋や脳容量は神経発達や認知能力の変化を推測する材料になり,顎や口腔,喉の構造は発声可能性を考える手がかりになる。ネアンデルタール人のある個体の舌骨については,微細構造・生体力学的研究でも現生人類との類似性が指摘された[21]。ただし,発声器官の存在は,ヒトのような言語使用の直接証拠ではない。
遺物証拠としては,装飾品,線刻,顔料,埋葬などが象徴行動の材料になる。貝殻のビーズ,身体装飾,壁面や石への刻み目,顔料の使用は,対象に社会的意味や象徴的意味を与えていた可能性を示す。南アフリカのブロンボス洞窟から出土した線刻は,中期石器時代に抽象的表象が存在した可能性を示す代表例である[22]。ただし,装飾品や埋葬も言語の直接証拠ではなく,記号的思考や社会的意味づけの間接証拠である。
DNA証拠では,FOXP2などの言語関連遺伝子が取り上げられる。FOXP2は発話や言語発達に関わるが,これを「言語の遺伝子」と呼ぶのは誤解を招く。FOXP2は神経発達,運動制御,発声・発話に関わる複数の過程と関連するが,語彙,文法,意味,語用論を単独で生み出すものではない[23]。ネアンデルタール人は現生人類に見られるFOXP2の派生的変異を共有していたと報告されているが,それは現生人類と同じ言語体系をもっていた証明ではない[24]。
したがって,ヒト科の言語進化は,化石,遺物,DNAのどれか一つで決定できない。発声可能性と記号的思考は区別する必要がある。発声器官があっても,象徴的意味共有がなければ言語にはならない。象徴行動があっても,それだけで文法的言語の存在を証明することはできない。複数の証拠を過不足なく組み合わせる慎重な推論が必要である。
5 言語の外部化と技術的拡張
言語は,はじめ身体に結びついた言葉であった。音声はその場で発せられ,その場で消える。しかし,文字の出現によって,言語は身体の外に保存されるようになった。これは,言語の進化というより,言語の外部化である。文字は言語を一時的な出来事から持続的な対象へ変え,記憶,制度,知識を個体の外部に配置する技術となった[25]。
文字は,記憶を個体の外に置くことを可能にした。約束,法律,系譜,物語,宗教,交易,行政,学問は,文字によって保存され,遠隔の他者や未来の世代に伝えられるようになった。文字は話し言葉の記録にとどまらず,記憶の範囲を拡張し,制度を安定させ,知識を蓄積する技術である。この点は,「拡張された心」の議論とも関係する[26]。
印刷術は,その外部化をさらに拡大した。文字情報は大量に複製され,広い範囲に共有され,知識の標準化,教育の普及,公共的な議論を可能にした。印刷術は本を増やしただけでなく,データの収集,保存,検索,照合の方法を変え,学問,宗教,政治,行政の構造にも影響を与えた[27]。電子伝達は,メッセージを瞬時に送信・検索・保存・再利用できるようにし,言語をさらに即時的で分散的なものにした。
生成AIは,この流れの新しい段階にある。大規模言語モデルは,大量のテキストデータから学習し,入力された文脈に応じて文章を生成する技術であり,GPT–3以降,少数例から多様な言語課題に対応する能力が注目された[28]。これは,文章生成の一部が身体の外に移されたことを意味する。心理学的には,記憶,思考,判断,創造,自己表現のあり方に影響を与えるだろう。
ただし,生成AIを人間の言語能力そのものと同一視してはならない。生成AIは流暢な文章を生成できるが,人間と同じ身体経験,社会的責任,意図,自己理解をもつわけではない。重要なのは,生成AIを,人間の言語活動を拡張する外部装置として位置づけることである。出力の解釈,評価,責任の所在は,依然として人間社会の規範に依存する[29]。
6 言語と心理学
言語は,心理学にとって中心的な対象である。言語は他者に向けて使われるだけでなく,自己の内部でも使われる。内言は,行動の抑制,注意の調整,感情の制御,計画の維持に関わる。社会的発話は私的発話を経て内面化され,思考と自己制御を支える内言になる[4]。「落ち着け」「もう一度考えよう」といった内的な言葉は,注意や感情の調整に関わる。現代の内言研究も,内言が認知制御,自己調整,記憶,計画に関わることを示している[30]。
言語は記憶,思考,知覚を再構成する。過去は言語によって物語化され,未来は計画として記述される。自伝的記憶,歴史,約束,目標,反省は,言語なしには安定して共有されにくい。子どもは,他者と経験を語り合う中で,自分の経験を物語として再構成する方法を学ぶ[31]。虚構や物語や創造も,存在しないものを語ること,ありえたかもしれない過去を想像すること,まだ来ていない未来を構想することによって拡張される。
言語は俯瞰的認知とメタ認知を可能にする。俯瞰的認知とは,目の前の出来事から距離を取り,自分や社会を少し高い視点から眺めることである。メタ認知とは,自分が何を考え,なぜそう感じ,どのように判断しているのかを対象化することである。人は言葉によって,自分の考えをもう一度考えることができる。
この能力は,人間に音楽,芸術,虚構,宗教といった象徴的世界を与えた。人は現実には存在しないものを語り,共有し,信じ,それに基づいて行動できるようになったのである。しかし同じ能力は,抽象的な憎しみや敵意を生み出すことにもつながった。個人ではなく,民族,国家,宗教,階級といった抽象的集団を対象にした憎悪は,言語によって名づけられ,物語化され,正当化される。言語は協力や創造を可能にする一方で,大量殺戮を計画し,命令し,合理化する道具にもなりうる(図2)。
さらに,言語は社会的自己理解に関わる。人は,自分が何者であるかを言葉で語る。名前,肩書き,所属,役割,過去の経験,将来の目標は,言語によって整理される。自己は文化の中で語りを通じて構成されるのである[3]。ナラティヴ・アイデンティティ研究でも,人生経験を時間的・因果的に結びつけ,自分の人生の物語として理解することが自己形成に関わるとされる[32]。
このように,言語は進化の産物であると同時に,心を組織する道具でもある。非ヒト動物に見られる成分能力,ヒト科における間接証拠,文字や生成AIによる外部化,内言や自己理解への関与をあわせて考えると,言語は単なるコミュニケーション手段ではない。言語は,ヒトが世界を理解し,他者と共有し,自分自身を形づくるための中心的な仕組みである。ただし,それは創造や協力だけを生むものではない。言語は,想像力,信仰,芸術,自己理解を支えると同時に,憎悪,排除,暴力を抽象化し,組織化する力ももっている。言語の心理学的研究は,言語を人間性の光と影の両面から捉える必要がある。
7 この分野を学ぶために
最後に,この分野を学びたい読者のために,日本語で読める参考文献を挙げておく。
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岡ノ谷一夫・石森愛彦『言葉はなぜ生まれたのか』文藝春秋(2010)
ヒトだけがなぜ言葉をもつに至ったのかを,動物の発声研究から考える入門書である。ジュウシマツの歌,デグーの音声,ハダカデバネズミのあいさつなどを手がかりに,発声,学習,社会性,文法の芽生えを平易に解説する。豊富なイラストにより,言語進化という難題を具体的に理解できる。小学生にも読める平易さをもちながら,専門家にも刺激のある内容になっている。本稿の副読本としても適している。
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スティーブン・ミズン『言語の人類史:言葉の進化の謎を解く』(岩坂彰訳)河出書房新社(2026)
ヒトがどのように言葉を獲得したのかを,考古学,動物行動学,脳科学,遺伝学などの知見からたどる本である。サルの鳴き声,発声器官,道具使用,火,象徴化などを手がかりに,言語が単一の発明ではなく,人類史の中で段階的に形成された複合的能力であることを示す。本稿で扱う動物比較,ヒト科の証拠,心理学的意味づけをつなぐ副読本として有用であり,言語進化を広い視野から理解する助けとなる。
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スヴェルケル・ヨハンソン『人はなぜ言葉を話すのか?:「言語の起源」をめぐる人類の物語』(大久保彩訳)SBクリエイティブ(2026)
言語の起源という難問を,進化,脳,発声,社会性,文化の広い視野から読み解く一般向け科学書である。人間だけが複雑な言語をもつに至った過程を,研究史と近年の知見を交えながらたどる。言語を単一の機能から発展したものではなく,身体・認知・社会・文化が長く絡み合って形成された能力として理解するために有効な副読本である。本稿の議論とも接続がよく,読者自身が言語の起源について考える手がかりとなる。
文献
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- *謝辞:本研究は科学研究費基盤研究S(23H05428/25K24549)の支援を受けた。
- *COI:本記事に関連して開示すべき利益相反はない。





