遠隔心理支援用インフォームド・コンセントのためのチェックリスト

遠隔心理支援においてもインフォームド・コンセントが推奨されます1。心理士の皆様は，ご自身の臨床実践のためにそのような様式を作ろうと思っておられるかもしれません。

もしあなたがご自身の臨床実践のために様式を作成する場合，記載した方が良い事項を以下にリストアップします。どの様式でも，あなたの名前と署名，患者さんの名前と署名，日付を記載する必要があります。

1訳者注：米国の場合，多くの州においてインフォームド・コンセントは義務づけられています。。

• ―テレビ会議には，対面セッションとは異なる潜在的なメリットとリスクがあります（例：患者さんの守秘義務の制限）。
• ―遠隔心理支援でも守秘義務が適用され，相手の許可なしにセッションを録音することはありません。
• ―バーチャルセッションのために選択したビデオ会議プラットフォームを使用することに同意し，心理士はその使用方法を説明します。
• ―セッション中はウェブカメラやスマートフォンを使用する必要があります。
• ―セッション中は，気が散ることのない静かでプライベートな空間にいることが大切です（気が散らせるものには携帯電話やその他の機器も含みます）。
• ―公共／フリーWi-Fiではなく，安全なインターネット接続を利用することが大切です。
• ―時間を守ることが大切です。面接予約のキャンセルや変更が必要な場合は，事前に電話やメールで心理士に連絡する必要があります。
• ―技術的な問題が発生した場合に，セッションを再開したり，スケジュールを変更したりするためのバックアッププラン（連絡の取れる電話番号など）が必要です。
• ―危機的な状況になったときのために，少なくとも一人の緊急連絡先と最寄りの救急医療機関を含む安全計画が必要です。
• ―未成年の場合，遠隔心理セッションに参加するには，両親や法定後見人の許可（および連絡先）が必要となります。
• ―ビデオセッションの費用に保険が適用されるかを保険会社に確認する必要があります。もし保険金が支払われないされない場合は，全額を支払う責任があります。
• ―心理士として，ある事情により，遠隔心理支援はもはや適切ではないと判断し，対面でのセッションを再開すべきだと判断することがあります。

この記事は，アメリカ心理学会（American Psychological Association: APA）公式Webサイトに掲載された記事 "Informed consent checklist for telepsychological services" を，アメリカ心理学会の許諾を得て日本語に翻訳したものであり，翻訳の質や正確さの責任は日本心理学会広報委員会にあります。なお，この記事をAPAの許諾なく複製・再配布することを禁止します。ご紹介くださる際は，必ずこのページを引用して下さい。

This material originally appeared in English as [American Psychological Association (n.d.). Informed consent checklist for telepsychological services. https://www.apa.org/practice/programs/dmhi/research-information/informed-consent-checklist]. Copyright 2020 by the American Psychological Association. Translated and Adapted with permission. The American Psychological Association is not responsible for the quality or accuracy of this translation. This translation cannot be reprinted or distributed further without prior written permission from the APA.