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特設ページ

お子さんとコロナウイルスについて話しましょう
(Talking to children about Coronavirus)

原文はこちら


Talking to children about Coronavirus

1. 話すのは良いことです。

子どもたちはコロナウイルスについて何か耳にするでしょうし,マスクをしている人が増えたことなど,周囲の変化にも気づくでしょう。子どもにとって,保護者とコロナウイルスについての会話を普通にできることは重要です。なぜなら保護者は子どもにとって最高の情報源であり安心の源だからです。友だちや他の子どもから,想像にすぎない話や間違った情報を得てくることもあるでしょう。

子どもたちが直接保護者に確認する機会をもてることは,とても大事なことです。

2. お子さんの年齢も考えつつ,事実を話しましょう。

子どもにとっても,正直さと正確さは大切です。事実を伝えましょう。ただし,年齢に合わせて,何をどこまで伝えるか,情報の質と量を調整しましょう。たとえば「ワクチンはまだないけれど,お医者さんが一生懸命,作ろうとしているよ」とか「病気になる人はたくさんいるかもしれないけれど,ふつうは風邪やインフルエンザのように,ちゃんと治るよ」などと説明できるでしょう。

3. お子さんが質問できるようにしましょう。

子どもがコロナウイルスについて疑問を持ったり心配したりするのは当然のことです。質問をしたら答えが返ってくる環境を与えることで,子どもたちの不安を軽減することになるでしょう。繰り返しになりますが,回答は正直に。分からないことは,分からないと言って構いません。現時点では,コロナウイルスに関して誰にも答えられない質問があります。そのことを説明し,答えを見つけようと働いている人たちについても,伝えましょう。子どもにも,子どもなりの考えがあるでしょう。それを聴いたり,絵に描いてもらったりしましょう。

4. 自分の心配にも目を向けましょう。

先行きが不透明だと,誰でも不安や心配を感じるものです。あなた自身の心配や疑問について話せる大人を見つけて下さい。あなたにとって,落ち着きを取り戻す助けになるものは何でしょうか。自宅にいるなら,音楽,呼吸法,リラクゼーション法,気晴らし(面白いものを見るなど),家族やペットとの時間などが役立つでしょう。落ち着いた気持ちで子どもたちに話しかけましょう。そのことが子どもたちの安心につながります。

5. 実践的なガイダンスをしましょう。

子どもたち自身が健康のためにできる最も大切なことは何か,繰り返し伝えましょう。手洗い,そして咳エチケットです。手洗いしながら歌う歌を一緒に考えるなど,子どもが楽しく続けられるような工夫をしましょう。

日本語版の補足情報


新型コロナウイルス(COVID-19)への対処法に関する日本心理学会の特設サイトはこちらです。


この記事は,英国心理学会(British Psychological Society: BPS)公式Webサイトに掲載された記事 "Talking to children about Coronavirus" を,英国心理学会の許諾をもと日本語に翻訳し,必要に応じて日本向けの情報を付け加えたものです。翻訳の質や正確さの責任は日本心理学会広報委員会にあります。なお,この記事をBPSの許諾なく複製・再配布することを禁止します。ご紹介くださる際は,必ずこのページを引用して下さい。

(c) 2020 British Psychological Society

BRE26a / 16.03.2020



    日本語訳(協力:日本心理学会広報委員会)
  • 平石 界(慶應義塾大学文学部)
  • 藤島 喜嗣(昭和女子大学人間社会学部)
  • 樋口 匡貴(上智大学総合人間科学部)
  • 三浦 麻子(大阪大学大学院人間科学研究科)