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常務理事会から
公認心理師関係および広報委員会の活動
公認心理師養成大学教員連絡協議会の発足
公認心理師法が施行され,2018年4月から正式の養成カリキュラムが始まりました。公認心理師の養成にあたっては,基礎心理学と実践心理学が協力することが求められています。日本心理学会は広く基礎心理学と実践心理学のすべての分野の専門家集団であり,また大学教員が多く加入しているため,心理学のすべての領域にわたる公認心理師のカリキュラムを検討する学会としてふさわしいと考えています。そこで,これからの養成カリキュラムの方向を考えていくためのネットワークが必要であると考え,「公認心理師養成大学教員連絡協議会」(以下,協議会)を発足させました。
協議会は,養成についての情報を集めて大学間で共有し,科学者−実践家モデルにもとづく公認心理師養成のありかたを議論しています。学部カリキュラム,大学院カリキュラム,実習,国家試験の四つのワーキンググループに分かれて,5年後の制度見直しに向けて活発な活動を進めています。また,2018年9月の第82回大会では,公認心理師養成についての公開シンポジウムを開きました。2019年の第83回大会でも公開シンポジウムを開く予定です。
協議会の会員は①個人会員,②組織会員,③加盟団体の3種類があります。このうち,組織会員は,大学の学部・学科等,組織単位で登録するもので,公認心理師養成にかかわる包括ユニットに限定せず,大学学科,専攻あるいは学問分野グループ等の単位でも登録できます。みなさまもぜひご登録ください(会費無料)。詳しくは本学会のホームページを参照ください。
公認心理師の会の支援
2018年9月9日に公認心理師試験が行われ,11月30日には合格者が発表されました。科学者−実践家モデルに賛同する公認心理師の有資格者が新たに「公認心理師の会」を結成しました。日本心理学会は,この会の趣旨に賛同し,会を支援することになりました。公認心理師の方はぜひご参加ください。
公認心理師標準シラバス作成
大学教育の指針となるように,2017年12月に,本学会は「公認心理師大学カリキュラム 標準シラバス」を発表しました。会員からのパブリックコメントを求め,これをもとに,8月に修正シラバスを公開しました。
この修正シラバスでは,「産業・組織心理学」の科目について,産業・組織心理学会より,学会で作成したシラバス案をいただきましたので,ご提案をそのまま受けいれて修正しました。そもそも公認心理師カリキュラムやシラバス,出題基準については,専門家集団である専門学会が作成することが望ましいと思われます。その点で産業・組織心理学会が率先してシラバスを作成されたことに対して深い敬意を表します。このような動きが広まって,各専門学会が公認心理師カリキュラムやシラバス,出題基準などを作成することを期待しております。
公認心理師養成についてのアンケート調査
2018年4月には,心理学教育を行なっている大学の学部・学科・コース等を対象として,大規模な「公認心理師養成についてのアンケート調査」を行いました。この調査では,「公認心理師カリキュラムを実施するにあたって不安や困難を感じていること」を尋ねましたが,多くの大学で,授業や講師の確保,実習先の確保,卒業生の進路などについて困難を感じていることが明らかとなりました。また,日本心理学会や協議会に望むことを尋ねたところ,「養成大学の要望をまとめて5年後の見直しで官庁と交渉してほしい」,「養成大学の組織化をすすめ,大学間の横の情報交換を進めてほしい」といった強い要望が寄せられました。こうした要望に応えるべく努力していきます。
広報委員会の活動
会員のみなさまは,2017年12月から本学会のホームページがリニューアルされ,見やすくなったことにお気づきと思います。このリニューアルを担当したのは広報委員会です。日本心理学会は,公益社団法人として,社会に向けて常にいろいろな情報を発信しています。この情報発信のあり方を検討しているのが広報委員会です。今後もホームページやSNSで学会の情報をいかにわかりやすく発信するかについて議論し,改善を続けていきます。
(公認心理師担当/広報担当常務理事・東京大学教授 丹野義彦)
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