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あとがき

あとがき

近年,実証科学のいずれの領域においても,研究活動のグローバル化が一挙に進んできました。その中には,データ再現性問題や,データ不正行為の出現に端を発するオープンサイエンス化の動き,その背景にある研究倫理の定着や,利益相反に関連する諸問題など,明暗さまざまな「研究界の動き」があり,それらに対する考え方や対応方法も,急速にスピードを上げながら変化をしてきています。

そのような中で,2015年版改訂から7年を経て,「心理学研究」ならびに “Japanese Psychological Research” のための「執筆・投稿の手びき」を改訂する運びとなりました。今回の改訂の一番の契機は,American Psychological Association(APA)の Publication Manual 第7版が公刊されたことです。その中身は大きく変化しており,これまでにない記述も盛り込まれてきました。同書をベースとしている日本心理学会としても「論文の書き方」の手びき書として改訂は必須のものと考えましたが,同時に,日本心理学会としては,上記のようなさまざまな動きや問題をどう考え,どのようにして研究者集団としての研究実践を行っていくのか,多くの問題を「突きつけられて」の改訂となりました。

日本心理学会は多様な領域の心理学研究者が集う自発的研究者集団であり,これらの問題についても,その成員の間で充分な議論と納得を得たうえで,具体的な制度やルールを変えていくべきだと考えます。しかし同時に,「世界の潮流」の動きが早いだけに,そうした「学会としての意思決定」をどのようにしてスピード感をもって進めていけるのか,拙速であってはならない,しかし常に新しい研究者を迎え,共に育っていく場としての学会にふさわしい「常に変化していくこと」を怖れてはいけない,その両者の拮抗に迷いつつの改訂となりました。一部の方には「保守的にすぎる」と思われるでしょうし,一部の方には「あまりに急な変化が多すぎる」と思われるかもしれません。ただ,こうしたルールも,まさに「変化し続けるもの」であることを考えれば,ある一時点で一つの「形を取る」こと自体が,次の大きな変化のステップになる,と考えています。ぜひ,今回の「執筆・投稿の手びき」を次の変化への1ステップとして有効に活用していただき,会員相互での議論が活発化されることを強く希望しています。

今改訂から,本学会はこの手びきを印刷し製本することはやめて,電子媒体としてのみの公開とさせていただきます。ただし,教育現場などでは印刷物の形態でほしいというご要望があったため,出力用のPDF版も併せて公開いたします。ご活用ください。

今回の「執筆・投稿の手びき」改訂にあたり,「心理学研究」ならびに “Japanese Psychological Research” の編集委員会から委員長の中村 知靖・石井 敬子,副委員長の浅野 倫子・石川 信一のみなさま(敬称略),日本心理学会事務局の編集担当の井戸 翔太・恩田 麻里菜両氏に文字通りのご尽力をいただきました。記して謝意を表します。ありがとうございました。

2022年5月21日
公益社団法人 日本心理学会機関誌等編集委員会委員長 原田 悦子

執筆・投稿の手びき

2022年10月25日 初版第1編集版発行

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